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サークル句会

307.02月サークル句会①(01/26~02/10)

昇峰さん
トピック作成者:昇峰 さん
2021.2.8
2月前半のサークル句会の選句結果です。一席は、「春寒」句の山椒の香さんの5点句、二席は、「柳」句の冬彦さんの5点句、三席は、「余寒」句の孤山さんの4点句でした。鑑評は、特選句それぞれに選者からコメントをいただいていますので、ご参照ください。今月もたくさんの佳句を鑑賞させていただき、ありがとうございました。来月もよろしくお願い申し上げます。


一席 5点句(◎◎◎○○)
  86.春寒し引き戸の重き湯治宿          山椒の香
二席 5点句(◎◎○○○)
  37.蔵町や柳青める船着き場           冬 彦
三席 4点句(◎◎○○)
  116.余寒なほ石切山の石切場           孤 山

4点句(◎○○○)
  75.誰も居ぬ古町交番沈丁花           冬 彦
3点句(◎◎◎) 
  18.カウベルの響く草原春の風          翔 行
(◎◎○)
  34.幾何学を目指せしことも冬星座        利 明
  64.消防車待たせ野焼の始まりぬ         山椒の香
  70.末黒野の匂ひ濃くして山雨過ぐ        昇 峰
   (◎○○)
  06.飴きりの音の中ゆく節分会          はぼたん 
  15.鬼平の鬼の一文字喧嘩凧           ワシモ
  25.叶ふなら茶の花垣の一軒家          利 明
  113.山並はなべて鈍色余寒なほ          孤 山
   (○○○)
  75.誰も居ぬ古町交番沈丁花           冬 彦
2点句(◎◎)
  30.寒明やごつとん水車動きそむ         昇 峰
  35.聞き洩らす本音の話亀鳴けり         孤 山
  108.金縷梅のよじれて載せる雪の片        昇 峰
   (◎○)
  36.朽葉押し朝陽を呼びて福寿草         しょうく
  44.小流れの瀬音は高し雪解道          さんせん
  49.魁といふ文字に似て蕗の薹          ワシモ
  50.笹鳴や疏水を跨ぐ伝ひ橋           利 明
  81.野焼跡ひとすじ残る獣道           山椒の香
  93.春近したてがみ光る都井岬          panapana
   (○○)
  11.薄氷を踏み行く子らの頬赤し         孤 山
  72.洗濯ものに残る寒さをたたみけり       昇 峰
  100.冬の梅口には出せぬ人のをり         はぼたん
  107.豆を打つ女所帯の鬼は母           はぼたん
1点句(◎)
  01.青罅の陶泣くやうに冴返る          利 明
  13.梅二月落慶を待つ過疎の村          山椒の香
  23.風光る表彰台の笑顔かな            panapana
  26.哀しさも春の寒さも老いの身に        山椒の香
  39.渓流の色を薄めて雪解水           さんせん
  54.残寒や浮桟橋の軋む音            苦 瓜
  80.のどけしや眼鏡を掛けて爪を切る       孤 山
  94.春の水がばりと割れて河馬になる       冬 彦
  106.海鞘を食ひ神の不在を論じけり        冬 彦
   (○)
  02.朝日射す含み笑いの福寿草          しょうく
  05.あすなろの麒麟や何処春の雲         翔 行
  14.男波たつ島を彩る紅椿            さんせん
  16.己が身の重きを耐えて鳥帰る         冬 彦
  17.降り立ちて無人の駅の梅かをる        山椒の香
  24.風吹けば風に抗ひ野火猛る          山椒の香
  27.噛み切れぬまま飲み込むや寒海鼠       利 明
  40.紅梅や足湯して疲れを癒す          苦 瓜
  56.参道の狭道を照らす白椿           さんせん
  68.新聞の人相書きや春の雷           孤 山
  73.杣の子のほっぺの赤き春寒く         山椒の香
  74.早春の風なほ荒き城ケ島           翔 行
  78.泣き言は言わず青青竜の玉          はぼたん
  109.まんさくや峡人渡るかずら橋         苦 瓜
  117.余寒なほ奥の院への石灯籠          panapana
無点句
  03.朝日射す春枝先に飛び跳ねる
  04.馬酔木咲く校門の別れかな
  07.石壁に歴史重ねし名草の芽
  08.凍て解に托鉢僧の鈴の音
  09.凍て解や天守の礎石ゆるぎなく
  10.浮島に亀甲羅干す風光る
  12.薄氷の閉じ込めてをり去年の紅
  09.影の濃き大極殿や鴛鴦の沓
  20.駆ける児を見守るベンチあたたかし
  21.籠求む妻籠の宿の春時雨
  22.かずら橋橋の架け換え風光る
  28.寒明の校舎に歓声戻りけり
  29.寒明けの森の泉に集ふ鳥
  31.寒声や鴨の河原の明けきらず
  32.寒梅へ脇目もふらず枝くぐる
  33.寒梅や呂律の川の水の音
  38.軽快に歩く足音冬日和
  41.紅梅や寺また寺に香り満
  42.こだまして谷の底ひの梅日和
  43.こでまりの実を受け暖かに
  45.コロナ禍や二月礼者も果たせずに
  46.コロナ禍や春の風待つデイスタンス
  47.コロナよ去れ独り言して春を待つ
  48.囀りや孫は今朝から変声期
  51.笹鳴きや旅の途次生る露天の湯
  52.里山をはなれて浮かむ春の月
  53.佐保川の土堤のなぞへや蕗の薹
  55.斬新な柄のネクタイ春立てり
  57.寺社数多京の節分ここかしこ
  58.自転車の空気入れ足す遅日かな
  59.忍び寄る猫の足元蕗の薹
  60.宿坊に泊まりて出会ふ蕗の薹
  61.春雲を一つ浮かして川滔々
  62.春寒の面会謝絶に立ち止まる
  63.春月の重たく出でし鞆の浦
  65.職業欄無職と記す納税期
  66.白樺林の風美しく春立てり
  67.深雪を昇る仕事の無言かな
  69.水仙花ふつと頬にふる小庭かな
  71.節分やお化けに会いに祇園街
  76.手品師のちょっとしくじる春の昼
  77.長瀞のしぶく波浪や早春賦
  79.憎まれ児粉雪を散らし去り
  82.廃駅のプラットフォームやつくづくし
  83.白雲の浮かむ青空春立ちぬ
  84.薔薇窓の冬日へ十字堂出づる
  85.春風に幸のある如く頬なぜる
  87.春雨やバス停までの相々傘
  88.春しぐれ子猫の耳を拭いてをり
  89.春時雨のあまりに早く去りけり
  90.春立つや歓喜の渦の秋津洲
  91.春立つや遠嶺の風のかろやかに
  92.春立つや草に隠るる狼煙址
  95.光り抱きはうれん草の畝
  96.人去りて蝋梅薄日に透き通る
  97.一握りざつくりと切るはうれん草
  98.姫川の瀬音ひそかに福寿草
  99.冬の蠅病室に来て動かざる
  101.ブランコを静かに揺らす語りかな
  102.朋友の春風の如く訪れける
  103.はうれん草無人の棚に求めくる
  104.帆掛け船島出る音や海苔掻女
  105.ほのぼのと滲む遅日の落暉かな
  110.三椏の紆余曲折の末に花
  111.三椏の白も赤きも金こぼす
  112.三つ峰の社に春の雲迅し
  114.山伏の法螺貝こだま焼野かな
  115.雪を見て我人生を悔ひ多し
  118.立春や光集めて観光船
  119.料峭や木道修補の尾瀬ヶ原
  120.老妻の天婦羅自慢ふきのとう
  121.綿虫の軒揺蕩ふや宇陀千軒

なお、文字の欠落等がありましたら、お知らせください。

選者(敬称略)
冬 彦 麦 秋 孤 山 山椒の香 翔 行 利 明 苦 瓜 ワシモ はぼたん panapana
しょうく 昇 峰 さんせん housyuu  
書き込み
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1
11ページ
17
昇峰さん
2021.2.16 19:53
housyuu選(パソコン不調のため、コメントはありません)

 06 15 25 30 75 86 94 113
0人がいいねと言っています
16
さんせんさん
2021.2.16 2:50
さんせん選

 
 01.青罅の陶泣くやうに冴返る
  暗闇に妖しく光る青磁の質感が伝わってくる。
 18.カウベルの響く草原春の風
  放牧の牛の群がやって来る、春の風にカウベルの音が心地良い。
 36.朽葉押し朝陽を呼びて福寿草
  朝日をあびて荒れ地に立つ福寿草は神々しくもある。
 50.笹鳴や疏水を跨ぐ伝ひ橋
  うぐいすの声が幽かに響く深山につづく古道の風景
 64.消防車待たせて野焼の始まりぬ
  野焼の危険除去には消防車が一番。
 70.末黒野の匂ひ濃くして山雨過ぐ
  野焼の雨に打たれた独特の匂いが良く伝はる佳句。
 86.春寒し引き戸の重き湯治宿
  古ぼけた湯治宿の光景。
 108.金縷梅のよじれて載せる雪の片
  雪を載せて咲いているマンサク、季重なりを感じさせない美しい情景。
0人がいいねと言っています
15
昇峰さん
2021.2.15 11:45
13.梅二月落慶を待つ過疎の村
信仰厚い村人の守る天神社、落慶も梅の満開も間近い。
18.カウベルの響く草原春の風
春の風の爽快な光景
37.蔵町や柳青める船着き場
古き良き時代を彷彿させる。
49.魁といふ文字に似て蕗の薹
さみどりの花芽は確かに隙間のない文字、「さきがけ」が良い。
54.残寒や浮桟橋の軋む音
船が去って浮き桟橋が大波に軋む、心象的な寒さも。
64.消防車待たせ野焼の始まりぬ
現代的な光景。火付衆も村の消防に携わる。青年団
86.春寒し引き戸の重き湯治宿
建付けの悪いガラス戸、昔からの湯治宿。
116.余寒なほ石切山の石切場
凍て空に響く発破音、春とは言えまだ風が冷たい。
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14
しょうくさん
2021.2.15 9:02
しょうく選
   30.寒明やごつとん水車動きそむ
      寒明けを象徴するように水車が回り始める、いつもの散歩道で出会う風景です。
   35.聞き洩らす本音の話亀鳴けり
      亀鳴くという季語が、ああ亀は何時も無言だと、つくずく思わせる句です。
   44.小流れの瀬音は高し雪解道
      この句も出会う父兄をうまく切り抜いた句です、ささやかな音がきれいに聞こえる。
   70.末黒野の匂ひ濃くして山雨過ぐ
      野焼きのあと、スッと過ぎた雨、えも言われぬ香リが浮かぶ。
   81.野焼跡ひとすじ残る獣道
      これも野焼き済んで、ふと見られる景色をしっかりとらえている。
   93.春近したてがみ光る都井岬
      都井岬の野生の馬たち、春を待ちかねて光る鬣を見事に写生
   108.金縷梅のよじれて載せる雪の片
      すぐ消えそうな雪の姿を見事にとらえた観察眼。
   116.余寒なほ石切山の石切場
      もうすっかり使われなくなった石切り場で見かける風景を見事切り取り。  
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13
panapanaさん
2021.2.12 21:21
特選 35.聞き洩らす本音の話亀鳴けり
   人生を歩む中での出会いで
   こんな場面も数多あり。

入選 11. 16. 75. 107. 109.
0人がいいねと言っています
12
はぼたんさん
2021.2.12 15:11
特選
80.のどけしや眼鏡を掛けて爪を切る
我が身を詠まれたようで・・・。
入選
27.噛み切れぬまま飲み込むや寒海鼠
噛み切れぬ悔しさを隠して。
37.蔵町や柳青める船着き場
情景が浮かぶ。
44.小流れの瀬音は高し雪解道
きれいな描写。
72.洗濯ものに残る寒さをたたみけり
やや技巧的だが魅かれる。
113.山並はなべて鈍色余寒なほ
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11
ワシモさん
2021.2.12 12:42
特選
34.幾何学を目指せしことも冬星座
 22年の歳月をかけて日本独自の暦法を完成させた渋川春海の生涯を描いた
 沖方丁著の小説『天地明察』(2012年映画化)を思い出しました。
 この小説にゆかりの渋谷・金王八幡で算術絵馬(算額)を見ることができます。

入選
06.飴きりの音の中ゆく節分会 
25.叶ふなら茶の花垣の一軒家
74.早春の風なほ荒き城ケ島
75.誰も居ぬ古町交番沈丁花
107.豆を打つ女所帯の鬼は母
0人がいいねと言っています
10
苦瓜さん
2021.2.12 12:10
特撰。23 風光る・が良いで過ごす
秀句。11.14.37.73.93
0人がいいねと言っています
9
利明さん
2021.2.12 11:47
>>[7] 冬彦 さん
冬彦様
過分なるお言葉ありがとうございます。
俳句歴38年、なかなか上達しませんが、
これからもよろしくお願いいたします。
               利明
0人がいいねと言っています
8
冬彦さん
2021.2.12 11:30
>>[5] 翔行 さん
こういう優れた読み手を鶴首して待っておりました。さすが翔行閣下です。ありがとう!
0人がいいねと言っています
7
冬彦さん
2021.2.12 11:28
>>[6] 利明 さん
この句を選んだ利明氏の選句力(炯眼)に感服です。こういう読み手を鶴首して待っているのです。
0人がいいねと言っています
6
利明さん
2021.2.12 10:01
特選
106.海鞘を食ひ神の不在を論じけり
   海鞘は夏に北海道や三陸沖でよく収獲されるが、
  人により好き嫌いがあるようだ。そんな海鞘を食べ
  ながら、昨今のコロナ禍の蔓延に懊悩する人類への
  災禍を思うとき、神は存在するのかしないのか議論
  が囂しい。海鞘のあの奇妙な形から神が創造したも
  のでないというのも、神不在論の根拠だろうか?興
  味は果てしなく広がり、議論の果てしなく…。
  
入選
06.飴きりの音の中ゆく節分会 
15.鬼平の鬼の一文字喧嘩凧
64.消防車待たせ野焼の始まりぬ
78.泣き言は言わず青青竜の玉
113.山並はなべて鈍色余寒なほ
冬彦 1人がいいねと言っています
5
翔行さん
2021.2.12 9:46
特選
37 蔵町や柳青める船着き場
   倉敷の美観地区が浮き出てくる。 「柳青める」が効いている。
入選
15 鬼平の鬼の一文字喧嘩凧
24 風吹けば風に抗い野火猛る
81 野焼跡ひとすじ残る獣道
100 冬の梅口には出せぬ人のをり
117 余寒なほ奥の院への石灯篭
冬彦 1人がいいねと言っています
4
山椒の香さん
2021.2.11 22:34
特選
39.渓流の色を薄めて雪解水
  冷たくて透き通る渓流の水音が聞こえてくる。
入選
25.叶ふなら茶の花垣の一軒家
37.蔵町や柳青める船着き場
70.末黒野の匂ひ濃くして山雨過ぐ
72.洗濯ものに残る寒さをたたみけり
116.余寒なほ石切山の石切場
0人がいいねと言っています
3
孤山さん
2021.2.11 14:58
特選
18 カウベルの響く草原春の風
  春風の中、放牧の牛の伸びやかな姿が目に浮かびます。
入選
02 朝日射す含み笑いの福寿草
17 降り立ちて無人の駅の梅かをる
50 笹鳴や疏水を跨ぐ伝ひ橋
75 誰も居ぬ古町交番沈丁花
86 春寒し引き戸の重き湯治宿
0人がいいねと言っています
2
麦秋さん
2021.2.11 11:28
麦秋選
特選
26.哀しさも春の寒さも老いの身に
私も同感、身にしみます。

入選
05 34 36 40 56
0人がいいねと言っています
1
冬彦さん
2021.2.11 10:35
特選
34.幾何学を目指せしことも冬星座
「物理学者、有馬朗人師の句集にありそうな一句。少年の日の見果てぬ夢と志をふと思い出させる清冽さni
胸を打たれた」

49.魁といふ文字に似て蕗の薹
68.新聞の人相書きや春の雷
86.春寒し引き戸の重き湯治宿
100.冬の梅口には出せぬ人のをり
116.余寒なほ石切山の石切場
0人がいいねと言っています
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