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サークル句会

310. 03月サークル句会②(03/11~03/25)

昇峰さん
トピック作成者:昇峰 さん
2021.3.23
3月後半のサークル句会の選句結果です。一席は、昇峰の「陽炎」の9点句、二席は、panapanaさんの「鳥曇」の7点句、三席は、孤山さんの「椿」の5点句でした。鑑評は、特選句それぞれに選者からコメントをいただいていますので、ご参照ください。今月もたくさんの佳句を鑑賞させていただき、ありがとうございました。来月もよろしくお願い申し上げます。


一席 9点句(◎◎◎◎○○○○○)
  19.陽炎や島の短き滑走路            昇 峰
二席 7点句(◎◎○○○○)
  42.三陸の海女の磯笛鳥曇            panapana
三席 5点句(◎◎◎◎○)
  95.晩年は清貧がよし白椿           孤 山

4点句(◎◎◎○)
  26.首塚の梵字を伝ふ花の雨           ワシモ
  55.背丈やや縮む齢や春袷            housyuu
  66.椿落つ星の触れ合ふ音立てて         昇 峰
   (◎◎○○)
  10.遠望に利尻の富士や鳥ぐもり          苦 瓜
   (◎○○○)
  53.沈丁の香り膨らむ闇の奥           孤 山
   (○○○○)
  14.落椿しづかに暮るる高麗の郷         昇 峰
3点句(◎◎○)
   (◎○○)
  37.囀りの枝より枝へ弾む影           housyuu
   (○○○)
  28.玄海の神の島へと鳥曇            panapana
2点句(◎◎)     
  47.春月に触れんばかりの鬼瓦          ワシモ
   (◎○)
  20.陽炎や波間に揺れる大漁旗          panapana
  31.古物屋のギヤマンに咲く風信子        ワシモ
  36.里人の守るカタクリ群生地          Secchan
  39.酒蔵に影の揺るるや糸桜           housyuu
  60.ただ通るだけでも嬉し花衣          さんせん
  87.春うらら小江戸の町の時の鐘         翔 行
  116.揺らすなく揺らす尾鰭や水温む        昇 峰
   (○○)
  11.老集ふグランドゴルフや春の風        翔 行
  90.春の宵夢二の女猫を抱く           はぼたん
1点句(◎)
  12.老いてなほ九九の練習のどけしや       孤 山
  29.碁敵と予後の楽しみ春の昼          苦 瓜
  57.ぜんまいの疑問符しつかり巻かれをり     冬 彦
  59.曾祖母のレシピ伝ふる蓬餅          housyuu
  64.通販の浅利三陸の砂吐けり          冬 彦
  65.つちふるや骨董店の青磁壺          さんせん
  68.遠野の河童目覚むるや春の雷         利 明
  73.のどけしや豆腐屋の笛迫りきし        panapana
  88.春うらら仔猫庭木で爪を研ぐ         翔 行
  112.やや温し朝の歩みも良しとせよ        麦 秋
   (○)
  07.海に落つ崖にさ揺らぐ黄水仙         さんせん
  15.弟の骨拾ふ日や名残り雪           冬 彦
  16.朧夜の抜荷の宴調所の声           ワシモ
  17.開梛を敲き禅林冴返る            利 明
  34.歳時記の文字の乱れや春の昼         孤 山
  35.西行の桜もかくや花吹雪           昇 峰
  50.治聾酒と聞きて思わず杯重ね         しょうく
  74.のどけしや花を頭上に先斗町         苦 瓜
  94.般若経やつと覚えて春彼岸          翔 行
  109.柳川を花嫁舟や柳絮舞ふ           利 明
  113.夕照りの瀬田の唐橋朧にて          はぼたん 
無点句
  01.赤ん坊の寝息聞こえず養花天
  02.足指のビーダマ掴み春うらら
  03.明日はまた明日の風吹く水温む
  04.いくつかの堂宇も巡る花見かな
  05.ウイルスなど運び来るなよ涅槃西風
  06.嘘なんか何度もつける春の宵
  08.海燃ゆる残波岬の春夕焼
  09.枝揺らし花に隠れて鳥の影
  13.大利根の堤に摘みし草の餅
  18.廻廊の連子窓開く彼岸寺
  21.蝌蚪の紐処方薬の一抱へ
  22.神の道夕陽に光る紅椿
  23.金婚やつづれ折れなる花の道
  24.口口に訛る合宿草の餅
  25.唇がさよならしてる春の駅
  27.曇りがちの気分戻せと土佐水木
  30.骨壺を胸に抱きて養花天
  32.コロナ禍に人出さびしき夕桜
  33.コロナ禍の騒ぎの中や地虫出づ
  38.棹売りの長閑な声を垣の外
  40.佐保姫の姿求めて里山へ
  41.散歩して三色菫を誉め称へ
  43.賤ヶ岳越えて白鳥北帰行
  44.静けさに華やぎもあり夕桜
  45.しづりたる葉影を映す春障子
  46.修二会や五体投地の音激す
  48.春昼や讀み書きそろばん皆苦手
  49.春泥になりアイゼンを外しけり
  51.白無垢のままぽろり落つ椿かな
  52.沈丁の香り溢れる路地の裏
  54.砂嵐目を細め見るはなぐもり
  56.千年ののちに咲く花咲きにけり
  58.草原の牛のひと啼き長閑なり
  61.楤芽摘み父の御古の皮手套
  62.秩父には悲しき史あり春時雨
  63.柱頭に鸛の巣春を待つ
  67.手習ひの文字の乱れや春の昼
  69.塔の浮く浄土の庭や春かすみ
  70.鳥帰る目に比良比叡焼きつけて
  71.波しぶく様似の路や春嵐
  72.長閑さや毛馬の閘門糸垂らす
  75.廃屋の跡地に残る名草の芽
  76.俳句誌に挟む桜ひら一枚
  77.俳友と白鳥の飛遊見送りぬ
  78.ハイヒールの歩幅小さき新社員
  79.白髪の友と語らふ八重桜
  80.初蝶の黄金色に緩やかに
  81.初蝶や赤子抱きしめ内縁に
  82.初蝶や潮騒の音す岬道
  83.花辛夷三味の音洩るる公民館
  84.花の岡越えていきなり日本海
  85.母子草吾を孝子と母自慢
  86.母の忌の目に若き香の三つ葉芹
  89.春近し温泉地図に読みふけり
  91.春山に納骨せむと膝つきて
  92.半地下の窓を打ちたる春時雨
  93.半島の灯台はるか鳥雲に
  96.飛行搭回る頂山笑ふ
  97.ひと筋の光の道や夕永し
  98.蕗の薹遠き記憶を嚙み締むる
  99.ふらここに揺らるる母子昼下がり
  100.平安の空よみがへる桜かな
  101.方角の少し移りし遠蛙
  102.ぼうたんの芽吹くちからやくれなゐに
  103.細道に菜の花多数溢れけり
  104.頬づえの少女に届くサクラサク
  105.満開の桜並木を一万歩
  106.もとほれば疏水の底に蜆貝
  107.ものの芽に淡く色づく大地かな
  108.ものの芽や放りつぱなしの造成地
  110.藪椿ぬけて潮騒犬吠崎
  111.山彦の目覚めを聞くや春の山
  114.雪柳残し宅地化すすみけり
  115.ゆつくりと登るゴンドラ花の山
  117.余生まだ愉しみさはに桜餅
  118.余念なく句帳見つめて春炬燵
  119.忘れるな桜の花見と白髪老


なお、文字の欠落等がありましたら、お知らせください。

選者(敬称略)
翔 行 孤 山 麦 秋 苦 瓜 冬 彦 ワシモ 利 明 panapana secchan しょうく
 はぼたん housyuu さんせん 昇 峰
書き込み
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1
11ページ
14
昇峰さん
2021.3.29 21:29
10.遠望に利尻の富士や鳥ぐもり
船や礼文島から望む春霞や海霧に浮く利尻富士は実に美しい。
20.陽炎や波間に揺るる大漁旗
大漁旗を掲げて帰ってくる漁船、陽炎に揺れる様は喜びに溢れているかのよう。
36.里人の守るカタクリ群生地
片栗の群生地をいくつか行ったことがあるが、里人の苦労は大変なものだろう。
42.三陸の海女の磯笛鳥曇
渡り鳥が帰る頃の海はまだ寒く冷たい。漁の海女の笛が厳しさを伝えている。
47.春月に触れんばかりの鬼瓦
鬼瓦に触れんばかりのラージムーン。「外にも出よ」の句が浮かぶ。
55.背丈やや縮む齢や春袷
年を取るほどに背丈は縮む。春袷を着て感じる春愁。
59.曾祖母のレシピ伝ふる蓬餅
この家の伝統のレシピ、美味しい蓬餅なのだろう。
65.つちふるや骨董店の青磁壺
高価な青磁の壺、売れないまま薄い春の埃をかぶっている。
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13
さんせんさん
2021.3.29 21:15
さんせん選

 10.遠望に利尻の富士や鳥ぐもり
   利尻富士と鳥雲の大景の妙。
 31.古物屋のギヤマンに咲く風信子
   風信子(ヒヤシンス)の水耕栽培、ガラス壜に咲き誇る姿が古物屋を華やかなものにしている。
 39.酒蔵に影の揺るるや糸桜
   春の日差しを受けて柔らかい影を土蔵に映している。写生句のお手本。
 42.三陸の海女の礒笛鳥雲
   鳥雲の日には海女の礒笛が哀しく響く。
 55.背丈やや縮む齢や春袷
   背丈が小さくなったことを諾う年になって来た。
 87.春うらら小江戸の町の時の鐘
   うららかな季節しかし時節柄遠出は禁物!
 95.晩年は清貧がよし白椿
   晩年はかくありたいものです。
 116.揺らすなく揺らす尾鰭や水温む
   水の温む池の魚たちの微妙な動き、写実に富んだ佳句。
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12
housyuuさん
2021.3.29 13:17
19・陽炎や島の短き滑走路
  小型機しか利用できない飛行場、しかし頼みの綱にもなる大切な滑走路である。
29・碁敵と予後の楽しみ春の昼
  予後の体、まだむりは出来ないが春の昼を慰めてくれる碁敵の存在やよし。
47・春月に触れんばかりの鬼瓦
  大きな屋敷のあたりを睥睨するような鬼瓦、折しも春月に触れんとする夜景。
53・沈丁の香り膨らむ闇の奥
  沈丁の香りは強く、闇の奥からも匂い立つ。
60・ただ通るだけでも嬉し花衣
  コロナ禍でお花見は出来ないが、折角の花衣で着飾り花の下を通り抜けるだけで満足。
64・通販の浅蜊三陸の砂吐けり
  浅蜊を通販で購入するのは知らなかった。三陸の産物を購入援助の一つか。
73・のどけしや豆腐屋の笛迫りきし
  落語のような日常の景、いそがないと、外へ出る頃には遠くの方へ行ってしまう。
95・晩年は清貧がよし白椿
  白椿の季語が似合うような晩年を過ごしたいと思う。
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11
はぼたんさん
2021.3.29 11:55
特選
95.晩年は清貧がよし白椿
かくいきたきもの、白椿よし

入選
19.陽炎や島の短き滑走路
26.首塚の梵字を伝ふ花の雨
28.玄海の神の島へと鳥曇
42.三陸の海女の磯笛鳥曇
53.沈丁の香り膨らむ闇の奥
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10
しょうくさん
2021.3.29 8:57
しょうく選
12.老いてなほ九九の練習のどけしや
  つい九九のあれこれを口に出してしまう、自分の経験と重なる、同感。
26.首塚の梵字を伝ふ花の雨
  首塚、凡事のくぼみ、そこへの悲しい思いが、花の雨となって伝わる、その感性に・・・。
37.囀りの枝より枝へ弾む影
  膨らんだ蕾の枝から枝への影、優しくしかし鋭いさえずりの影をとらえた感性
57.ぜんまいの疑問符しつかり巻かれをり
  ゼンマイの形を、疑問符ととらえた、同感。
66.椿落つ星の触れ合ふ音立てて
  椿のポタリと落ちるはよく聞くが、星のふれあいととらえた感性。
68.遠野の河童目覚むるや春の雷
  遠野の流れのそばの河童か、狛犬みたいな恰好の神社の河童か、春の雷に目覚めたか
88.春うらら仔猫庭木で爪を研ぐ
  何気ない、しかし時々見かける風景をシッカリ写生
112.やや温し朝の歩みも良しとせよ
  やっと温くなった朝、歩む足取りは遅いが、発見は続く。
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9
secchanさん
2021.3.28 13:19
特選
 95 晩年は清貧がよし白椿
  覚悟の清々しさと白椿が良く合っていて
  良い句だと思いました。
入選
 15 20 37 42 74l
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8
panapanaさん
2021.3.28 11:15
特選 66.椿落つ星の触れ合ふ音立てて
     星の触れ合ふ音の連想が
     素晴らしいと感じます、

入選 14. 36. 53. 94. 113.
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7
利明さん
2021.3.28 10:31
特選
19.陽炎や島の短き滑走路
   遅い春のやってくる利尻空港を思い出しました。
  利尻富士をめがけて短い滑走路に着陸した飛機の
  窓から揺らぐ春を確認しながら、タラップを降り
  る旅の始まりです。
入選
42.三陸の海女の磯笛鳥曇
53.沈丁の香り膨らむ闇の奥
55.背丈やや縮む齢や春袷
66.椿落つ星の触れ合ふ音立てて
95.晩年は清貧がよし白椿
0人がいいねと言っています
6
ワシモさん
2021.3.28 8:41
特選
19.陽炎や島の短き滑走路
奄美諸島の島々への旅を思い出しました。
入選
10.遠望に利尻の富士や鳥ぐもり
14.落椿しづかに暮るる高麗の郷
17.開梛を敲き禅林冴返る
28.玄海の神の島へと鳥曇
90.春の宵夢二の女猫を抱く
0人がいいねと言っています
5
冬彦さん
2021.3.27 15:55
26.首塚の梵字を伝ふ花の雨
「首塚と花。死と生。暗と明。昔と今。二つの異なるイメージを衝突させて、一つの劇性を演出している。コントラストによる立体感は私がいつも心している作句法の一つであり、作者のふところの深さを感じます」

14.落椿しづかに暮るる高麗の郷
16.朧夜の抜荷の宴調所の声
19.陽炎や島の短き滑走路
31.古物屋のギヤマンに咲く風信子
34.歳時記の文字の乱れや春の昼
0人がいいねと言っています
4
苦瓜さん
2021.3.27 13:15
特撰。55背丈やや縮む齢や春袷  歳を取ると良くある事だ
入選。11.19.28.50.109
0人がいいねと言っています
3
麦秋さん
2021.3.27 13:05
麦秋選
特選 
19.陽炎や島の短き滑走路
風景が素晴らしいです。

入選
11 14 35 79 87
0人がいいねと言っています
2
孤山さん
2021.3.27 8:49
特選
26 首塚の梵字を伝ふ春の雨
  上五中七の重さから下五の明るさの取り合わせに感銘を受けました。
入選
19 陽炎や島の短き滑走路
37 囀りの枝より枝へ弾む影
39 酒蔵に影の揺るるや糸桜
90 春の宵夢二の女猫を抱く
116 揺らすなく揺らす尾鰭や水温む
0人がいいねと言っています
1
翔行さん
2021.3.26 14:01
特選
66 椿落つ星の触れ合ふ音立てて
   中七が素晴らしい。 奇想天外な発想だが、読む人の想像性を宇宙にまで拡大・進展させ
   色々と楽しまさせてくれる中味の濃い佳句である。
入選
07 海に落つ崖にさ揺らぐ黄水仙
10 遠望に利尻の富士や鳥ぐもり
19 陽炎や島の短き滑走路
42 三陸の海女の磯笛鳥曇
60 ただ通るだけでも嬉し花衣
0人がいいねと言っています
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