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サークル句会

313.05月サークル句会①(04/26~05/10)

昇峰さん
トピック作成者:昇峰 さん
2021.5.7
5月前半のサークル句会の選句結果です。一席は、苦瓜さんの「麦の秋」と、新会員houseさんの「葱坊主」の6点句、三席は、housyuuさんの「姫女苑」と、はぼたんさんの「昭和の日」と、昇峰の「燕の子」の三句、ともに5点句でした。鑑評は、特選句それぞれに選者からコメントをいただいていますので、ご参照ください。今月もたくさんの佳句を鑑賞させていただき、ありがとうございました。来月もよろしくお願い申し上げます。


一席 6点句(◎◎◎◎○○)
26.醤油の匂ふ故郷麦の秋            苦 瓜
82.葱坊主むかしは何処も大家族          house
三席 5点句(◎◎◎○○)
41.逆らはず風を捌いて姫女苑          housyuu
63.卓袱台に団欒ありし昭和の日         はぼたん
100.ひし形の口になる顔燕の子          昇 峰

5点句(◎◎○○○)
85.廃業の湯屋の煙突蔦若葉           利 明
4点句(◎◎◎○)
25.鑑真の海は青濃く卯月波           昇 峰
3点句(◎◎○)
35.下駄の歯のどくだみ青く匂ひけり       冬 彦
78.夏めくやポニーテールのよく跳ぬる      利 明
   (◎○○)
19.風少し胸元に入れみどりの日         山椒の香
65.父の日や獨英辭典と天眼鏡          冬 彦
109.見送られ出づる病院春日傘          山椒の香
  (○○○)
27.切尖にまとふ水の香菖蒲の芽         昇 峰
2点句(◎◎)     
68.遠き日の疎開の館雨蛙            panapana
   (◎○)
06.アベックと言ひて傘寿の昭和の日       はぼたん
20.風を呑み泳ぐ千匹鯉のぼり          Secchan
32.くつろぎて菖蒲湯ぞよき飛騨の宿       利 明
98.春日傘港のみえる丘に佇ち          山椒の香
107.補助輪の外れし五歳軒菖蒲          ワシモ
117.大和館哀史を秘めて夏の海          翔 行
   (○○)
14.湖を見てパンとコーヒー風五月        山椒の香
23.鴨居とふ鴨居に吊るし更衣          利 明
53.昭和の日もったいないを噛みしむる      はぼたん
110.ミサ曲の洩るる小窓や若葉風         さんせん
1点句(◎)
03.あくまきや釘字で届く母の文         ワシモ
69.遠きものまた遠くなる昭和の日        しょうく
102.人絶えて朽ちし生家や柿若葉         さんせん
115.山間の古き駅舎や余花の雨          孤 山
124.夜空には夜空の色や夏はじめ         孤 山
126.竜馬立つ浜に寄せ来る卯波かな        苦 瓜
   (○)
01.仰ぎ見る富士の笠雲春惜しむ         panapana
11.一円玉かぞへ支払ふ夕薄暑          housyuu
16.幼らのドレミの歌や風薫る          孤 山
34.激辛のカレーライスや夏きざす        housyuu
36.公園の若き母子に新樹光           Secchan
38.木陰濃く人無き丘の芝桜           しょうく
39.苔蔽ふ岩やはらかく滴れり          昇 峰
51.自転車を載せてトロッコ麦の秋        panapana
54.処女膜の気高くありし昭和の日        はぼたん
58.線量に阻まるる里姫女苑           housyuu
60.大戦にあまたなる死や昭和の日        はぼたん
62.蒲公英はあたかも空に去りし人         麦 秋
67.妻逝きし寂しさばかりチュッーリップ      麦 秋
72.長電話を叱りし親父昭和の日         はぼたん
73.夏草の猛し少年の日のやうに         冬 彦
74.夏雲や野辺の送りの海ゆかば         冬 彦
86.履きなれしジョギングシューズ花は葉に    孤 山
90.弾き豆匂ふ茶の間や麦の秋          苦 瓜
112.みちのくの仮の住まひや幟立つ        housyuu
118.夕闇に映る篝火鵜飼船            panapana
121.行く春や余生をつなぐ八十の道        panapana
無点句
02.青柳の揺れを求めし散歩か
04.明日は明日見えないものよ五月来る
05.畦に鷺佇み見入る田植かな
07.雨脚の音リズミカル夏めく日
08.蟻の列友とし散歩またもよし
09.医者二軒辿る近道きらん草
10.頂きに仰ぐ磐座山滴る
12.後ろ手し散歩の夫婦麦の秋
13.生まれるは消えるがさだめシャボン玉
15.エルパソで筍飯に声上がる
17.面長の夢二のをんな著莪の花
18.風薫るテラス満席カフェテリア
21.河馬唄ふ河馬のCM梅雨明ける
22.亀鳴くと補聴器に触れ恍惚と
24.茅葺の窓開け放つ立夏かな
28.記念にと植えし柿木若葉なす
29.嬌声やキャンプファイアの火照りたる
30.金鳳花欲は捨てたと言ひながら
31.空港の送迎デッキ雲の峰
33.暗闇に梔子の香近づけり
37.小売店の入り口被ふライラック
40.西行の後追ふ吉野花行脚
42.さきたまの古墳に立ちぬ薄暑光
43.五月とは何故か寂しき散歩かな
44.五月雨のしば隙間の散歩かな
45.五月晴水浴ぶジェットコースター
46.さび色を岩根に残し滴れり
47.讃美歌を窓辺に聞くや薔薇館
48.地獄めぐり終えたやうなる昼寝覚
49.滴りに色も匂ひもなかりけり
50.滴りや矢倉の奥の五輪塔
52.菖蒲湯に自粛疲れを癒さるる
55.白き泡舟屋に寄せる大卯波
56.信玄の狼煙台跡蝉騒ぐ
57.聖五月邪険な恋は遠きこと
59.疎開児の麦藁帽と半ソックス
61.たち歩きの幼に無情の青嵐
64.父の日は父の如くに凭れけり
66.杖放し歩幅たしかむ立夏かな
70.土曜日は晩酌の日や冷し酒
71.永き日や猫は声なき声で呼ぶ
75.夏の星吾を見捨てし娘は何処
76.夏星や沖縄シーサー海を向く
77.夏めきや海辺で出会ふ犬薄着
79.夏柳路面電車の軋みけり
80.菜の花のこぼれるばかり幼稚園
81.生わさびつんと鼻突き夏めく夜
83.のどけしや気儘な芸の猿回し
84.野宮に目瞑り聴くや竹落葉
87.葉桜や風にくるまれ駅ホーム
88.葉桜やグランド隅のチアガール
89.葉桜や時の気未だ衰へず
91.初恋の今はアイリス抱く女
92.初恋の君と食せし鮎のこと
93.初夏や海鳴り遠く宗谷線
94.初夏や北山杉の枝打ちを
95.花篝崩れ火の粉の吹雪けり
96.母の日や不要不急と言はれても
97.春日傘畳みてよりの嵯峨野道
99.晩鐘のくぐもる音や余花の雨
101.人気無き野外劇場四十雀
103.昼寝より覚めてラジオを止めにけり
104.フアゴットに葉桜ふるえ風乾く
105.藤の香に誘はれたどる末社かな
106.藤房の影を映して太鼓橋
108.マングローブの林必死で漕ぐカヌー
111.水入れて足下広ごる五月空
113.光秀の決心煽る皐月雨
114.眼の中に篝火燃ゆる荒鵜かな
116.山里に杏子の熟るる塩の道
119.浴衣着て梲の続く街並を
120.行く春や今日はどの路歩かふか
122.茹でたての蚕豆あてに酒酌まん
123.湯巡りや下駄からころと宿浴衣
125.ラヂオから陽水のうた夏薊
127.隣席は梔子香る可愛い子
128.老鶯の塒定むる生駒山
129.六角の楼閣凌ぐ桐の花
130.若き日の晴着に風を小町の忌

なお、文字の欠落等がありましたら、お知らせください。

選者(敬称略)
翔 行 孤 山 はぼたん 苦 瓜 麦 秋 panapana ワシモ 利 明 山椒の香 secchan 冬 彦 house housyuu しょうく さんせん 昇 峰  
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1
11ページ
16
昇峰さん
2021.5.14 20:10
19.風少し胸元に入れみどりの日
浴衣での外出、土手堤でも歩いているのか、川風が気持ちよさそう。
26.生醤油の匂ふ故郷麦の秋
小豆島に醤油工場があった。郷愁をくすぐる光景。
63.卓袱台に団欒ありし昭和の日
小津安二郎や山田洋二の映画を思い出させる。
82.葱坊主むかしは何処も大家族
これも葱坊主や昭和の日が季語に向いている。
85.廃業の湯屋の煙突蔦若葉
廃業、廃校、廃線、廃寺等、陳腐な言葉だが、蔦若葉が良い。
115.山間の古き駅舎や余花の雨
単線や無人駅も陳腐な言葉だが、季語で俳句になった。
124.夜空には夜空の色や夏はじめ
ありきたりなリフレインだがこれも季語の力がはたらいている。
126.竜馬立つ浜に寄せ来る卯波かな
土佐の桂浜、同じ発想の句が多そうだ。
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15
さんせんさん
2021.5.14 17:32
さんせん選

 03.あくまきや釘字で届く母の文
   あくまきは九州南部で食べられている粽、子を思う気持ちはどこも変わらない。
 26.生醤油の匂ふ故郷の麦の秋
   臭覚と視覚に訴え掛ける。
 35.下駄の歯のどくだみ青く匂ひけり
   どくだみの匂いが青っぽいとは言い得て妙。
 41.逆らはず風を捌きて姫女苑
   観察が行き届いた佳句。
 63.卓袱台に団欒ありし昭和の日
   懐かしさが甦ってくる。
 78.夏めくやポニーテールのよく跳ぬる
   こちらまで浮き立って来る軽快な一句。
 82.葱坊主むかしは何処も大家族
   昔には良くある光景、葱坊主の斡旋が見事。
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14
しょうくさん
2021.5.14 16:07
しょうく選
06.アベックと言ひて傘寿の昭和の日
  懐かしい言葉、アベック、ああ昭和も遠くなったなーと実感
20.風を呑み泳ぐ千匹鯉のぼり
  確か桐生で見た風景を思い出しました
26.生醤油の匂ふ故郷麦の秋
  醤油の香り、ああ麦秋の頃だったなーと同感
35.下駄の歯のどくだみ青く匂ひけり
  何かコロナのせいか嗅覚に妙に敏感になっている昨今、同じ経験しました。
41.逆らはず風を捌いて姫女苑
  ああそんな感じだなーと、同感しました。
68.遠き日の疎開の館雨蛙 
  疎開もずいぶん前の話になりますが、雨蛙との取り合わせに同感しました。
85.廃業の湯屋の煙突蔦若葉
  この頃銭湯の廃業が目につきます、まだ廃業して間もない銭湯の煙突、底をはう蔦。
100.ひし形の口になる顔燕の子
  これは対象を実によく観察されたなと感心しました。 
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13
housyuuさん
2021.5.14 11:04
25・鑑真の海は青濃く卯月波
  五度の渡航に失敗しながらも、来日した鑑真の渡った海、仏教伝達の歴史を物語る。
26・生醤油の匂ふ故郷麦の秋
  各地の故郷で醸造されている生醤油の匂い、懐かしさを感じる。
31・空港の送迎デッキ雲の峰
  見渡す限り広々とした送迎デッキに見る入道雲の景観。
82・葱坊主むかしは何処も大家族
  広い家に三代同居も当たり前だった、大家族の利点も一杯ありました。
100・ひし形の口になる顔燕の子
  よく観察されました。顔中口になる可愛らしい給餌の一齣。
107・補助輪の外れし五歳軒菖蒲
  嬉しい五歳、軒菖蒲の季語も良いと思う。
109・見送ら出づる病院春日傘
  看護師さんや入院友人に友人に見送られて無事退院、春日傘も弾んでいる。
117・大和館哀史を秘めて夏の海
  戦艦大和の哀史が残されている。昭和一桁生まれにとっては忘れられない。
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12
Houseさん
2021.5.14 10:29
慣れないものでお手数かけます。すみません。
特選)41、 私も昨日姫女苑で呻吟したので、参考にさせてもらいます。
入選)19, 26, 53, 65, 78
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11
冬彦さん
2021.5.14 7:28
特選
25.鑑真の海は青濃く卯月波
「俳句は時間軸が加わると立体感が出る。目前の風景を切り取りながら視線は過去へ伸びてゆき、沖に立つやや荒い卯月波に鑑真の苦難の船旅に想いは飛ぶ。句風が重層的である」

11.一円玉かぞへ支払ふ夕薄暑
85.廃業の湯屋の煙突蔦若葉
98.春日傘港のみえる丘に佇ち
107.補助輪の外れし五歳軒菖蒲
110.ミサ曲の洩るる小窓や若葉風  
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10
secchanさん
2021.5.13 22:33
選句遅くなり申し訳ありません。

特選
  夏めくやポニーテールのよく跳ねる

 すっきりとしたポニーテールが夏によくあっていて元気な少女の様子が目に浮かびます。

入選
  16 60 73 85 118
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9
山椒の香さん
2021.5.13 21:07
特選
65.父の日や獨英辭典と天眼鏡
  作者本人の自画像かご自分の父を詠んだのか、どちらとも取れますが。
  ユーモアーあって名詞ばかりでうまくまとめ上げました。
入選
27.切尖にまとふ水の香菖蒲の芽
51.自転車を載せてトロッコ麦の秋
54.処女膜の気高くありし昭和の日
72.長電話を叱りし親父昭和の日
100.ひし形の口になる顔燕の子
0人がいいねと言っています
8
利明さん
2021.5.13 9:41
特選
63.卓袱台に団欒ありし昭和の日
   卓袱台を一姫二太郎の五人家族で囲んだ昭和、
  まさにそこには団欒の場でした。こんな時代は
  もう来ないのでしょうか。種々考えさせられる
  佳句です。   

入選
19.風少し胸元に入れみどりの日
25.鑑真の海は青濃く卯月波
27.切尖にまとふ水の香菖蒲の芽
58.線量に阻まるる里姫女苑
67.妻逝きし寂しさばかりチュッーリップ
0人がいいねと言っています
7
ワシモさん
2021.5.13 9:29
特選
25.鑑真の海は青濃く卯月波
この時季の海の濃き青さと陸の白い卯の花。坊津もきっと
この情景のことでしょう。

入選
26.生醤油の匂ふ故郷麦の秋
27.切尖にまとふ水の香菖蒲の芽
63.卓袱台に団欒ありし昭和の日
100.ひし形の口になる顔燕の子
117.大和館哀史を秘めて夏の海
0人がいいねと言っています
6
panapanaさん
2021.5.12 15:50
特選 102.人絶えて朽ちし生家や柿若葉
    ご先祖さまを継ぐ人無き生家
    柿の木は元気に感じる

入選  20. 38. 62. 90. 109. 
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5
麦秋さん
2021.5.12 15:32
特選68 遠き日の疎開の館雨蛙
食料乏しい、子供を思います。

入選
06 14 22 112 121
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4
苦瓜さん
2021.5.12 14:27
特撰。100.ひし形の口になる顔燕の子=良く観察されています
入選。36.39.41.85.86
0人がいいねと言っています
3
はぼたんさん
2021.5.12 14:11
特選
82.葱坊主むかしは何処も大家族
八郎に,九郎。止め女、という名の子もいたっけ。大雑把にいえば経済的には裕福になったのに少子の今日。貧乏人の子だくさん・・・今も生きている?昭和は案外精神的に寛容で裕福だったのかも。
入選
23.鴨居とふ鴨居に吊るし更衣
31.空港の送迎デッキ雲の峰
35.下駄の歯のどくだみ青く匂ひけり
41.逆らはず風を捌いて姫女苑
109.見送られ出づる病院春日傘
0人がいいねと言っています
2
孤山さん
2021.5.11 15:52
特選
69 遠きものまた遠くなる昭和の日
  平成・令和と進んで、昭和は益々遠くなりましたね。同感です、昭和一桁世代としてはしみじみと  感じます。
入選
01 仰ぎ見る富士の笠雲春惜しむ
34 激辛のカレーライスや夏きざす
63 卓袱台に団欒ありし昭和の日
82 葱坊主むかしは何処も大家族
110 ミサ曲の洩るる小窓や若葉風
0人がいいねと言っています
1
翔行さん
2021.5.11 14:53
特撰
98 春日傘港のみえる丘に佇ち
   情景が眼に浮かび出る。沖縄からの転勤の際、声の届かない波止場の端で
   一人佇んで見送ってくれたママさんの姿を思い出す。 強い情念のこも
   った佳句だと思う。
入選
14 湖を見てパンとコーヒー風五月
53 昭和の日もったいないを嚙みしむる
65 父の日や独英辞典と天眼鏡
74 夏雲や野辺の送りの海ゆかば
82 葱坊主昔は何処も大家族
   
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