【若葉…②】
不二ひとつ埋み残して若葉哉 　　　　蕪　村
若葉して御目の雫ぬぐはばや 　　　　芭　蕉
濃く薄く奥ある色や谷若葉 　　　　　太　祇
葺き替へて大屋根となる里若葉 　　　富村波聴
若葉風ひとゆれで発つ小海線 　　　　土生重次
山毛欅若葉風の形のちぎれ雲 　　　　江原富美子
若葉風能楽堂をふき抜ける 　　　　　吉田喜美子
森林は風の水槽若葉冷 　　　　　　　小澤克己
先生のいつもの微笑若葉風 　　　　　久保田万太郎
皿の墨すぐにかわくよ若葉風 　　　　星野立子
山若葉助手席で行く子との旅　　　　 高橋妙子
三井寺は三千坊の若葉哉　　　　　　 正岡子規