【枯蟷螂】
蟷螂の眼の中までも枯れ尽す 　　　　　　　山口誓子
蟷螂のまつたく枯れし貌をあぐ 　　　　　　小笠原和男
蟷螂の枯れゆく脚をねぶりをり 　　　　　　角川源義
枯色が眼よりはじまるいぼむしり　　　　　 後藤夜半
蟷螂の六腑に枯れのおよびたる 　　　　　　飯田龍太
枯蟷螂老兵のごと立ち上がる 　　　　　　　岡部六弥太
腹さらし蟷螂まつさかさまに枯れ 　　　　　坂本久子
枯蟷螂日のある方へ動き出す 　　　　　　　守谷順子
枯蟷螂生きる証の斧動く　　　　　　　　　 栗山妙子
蟷螂の全身枯らす沖の紺　　　　　　　　　 野見山朱鳥
身構へて怒りしままの枯蟷螂 　　　　　　　高橋利雄
逆しまにポストをのぞく枯蟷螂 　　　　　　尾沼チヨ子

明日は、「今週の俳句」です。