【女郎花】
女郎花少しはなれて男郎花 　　　　　　星野立子
壷の花をみなめしよりほかは知らず 　　安住 敦
天涯に風吹いてをりをみなへし 　　　　有馬朗人
一本立ちあとはたふれてをみなへし　　 川崎展宏
移る日のとりどり淡きをみなへし　　　 斎藤夏風
朝の汽車すこやかに露女郎花　　　　　 細見綾子
昼闇にかたまりやすく女郎花　　　　　 宇多喜代子
山国の茎の太くて女郎花 　　　　　　　檜 紀代
一様に風来る中の女郎花 　　　　　　　高野素十
波立てて霧来る湖や女郎花 　　　　　　水原秋櫻子
霧深き野のをみなへしここに挿す　　　 山口青邨
女郎花壷に挿す間も花こぼす 　　　　　伊藤伊那男