【神の旅】
夜々月のかけてゆくなり神の旅　　　　 高木晴子
都出て神も旅ねの日数哉 　　　　　　　松尾芭蕉
潮路のはじまる鳥居神の旅 　　　　　　後藤夜半
蘆の葉も笛仕る神の旅 　　　　　　　　高浜虚子
魂ぬけの小倉百人神の旅 　　　　　　　阿波野青畝
峰の神旅立ちたまふ雲ならむ　　　　　 水原秋櫻子
峠神幣を倒して旅だちぬ　　　　　　　 福田蓼汀
土曜日の午後にはじまる神の旅 　　　　今井杏太郎
神の旅追ふて三河の風の中 　　　　　　鈴木鷹夫
誘ふ神ありて旅立つ咲耶姫 　　　　　　池谷市江
境内のぬかるみ神の発ちしあと 　　　　八染藍子
乗捨ての雲の一片神の旅 　　　　　　　あかぎ倦鳥