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シネマタイム

「インビクタス/負けざる者たち」

Vogelfreiさん
トピック作成者:Vogelfrei さん
2022.11.23
世の中、このところサッカー一色。流れに掉さしてラグビーの映画を・・・・。
2010年に観た時の感想です。

「ローハイド」の痩せてヒョロリとしたカウボーイ変じて巨匠と呼ばれる映画人になったクリント・イーストウッドが、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領と同国代表ラグビーチームの白人キャプテンのワールドカップ制覇へ向けて奮闘する姿を描いた。
冒頭近く、大統領官邸で、マンデラが目覚まし時計で目覚める。ベッドのシーツをきっちりと元に戻して寝室を出る。門の外で待つボディガードが、ジョギングの服装で出てきたマンデラを見て、毎朝きっちりとこの時間だと相棒につぶやく。マンデラの几帳面で、克己心の強い性格が短いシーンで描写される。まさに映画的表現の見本。
この映画のストーリーが、オリジナルな創作であれば、間違いなく、ご都合主義を絵にかいたような脚本だとけなすところだが、事実に基づいているといわれると脱帽せざるをえない。このニュースを覚えていないが、こんなことが本当にあったのか。
自分の理念にそって、ことの軽重を判断し、すべての行動、決定をしていく。まさに、政治家とはかくあるべしという姿だ。今の民主党(この時与党だったんですね)の政治家たちに爪の垢を飲ませたい。クリント・イーストウッドの資質である直感的な演出が的確で、この時の南アフリカとマンディラが置かれた厳しい状況を伝えてくれる。加えて、モーガン・フリーマン、マット・デイモン二人の力感にあふれた演技が、作品に厚みを与えた。サッカーは「紳士の競技を乱暴者がプレイするスポーツ」、ラグビーは「乱暴者の競技を紳士がプレイするスポーツ」というせりふが出てくる。この2つの球技の正しい形容とはいえないが、一面の真理がある点、言葉の遊びとして面白い。そのラグビー競技の描写。イーストウッドは徹底してアップを多用して、ものすごいタフな肉体同士の激突とバキ・バキッ響く音響ですざましい映像にして見せてくれた。その映像創造にもうならされた。同じマンデラを取り上げた映画「マンデラの名もなき看守」も観た。2007年のフランス、ドイツ他の映画だが、獄中のマンデラや南アフリカでの黒人の置かれていた状況がまことに非人道的だったことを改めて認識した。(2010.02.23)

サッカー中継に食傷した方、是非ご覧ください。推薦です。
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みねさん
2022.11.23 23:26
サッカーよりもラグビー、大相撲よりも大谷選手の姿が早くグラウンドで見れますように。
関係ない話ですみません。何か書こうと思ったのですが、紳士でも乱暴者でもさらに知識もないので、思いつきませんでした。
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