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「グラン・トリノ」

みねさん
トピック作成者:みね さん
2022.11.24
アマゾンで映画「グラン・トリノ」を観ました。  
ベトナム帰りの老兵が街のギャングと対決する話です。
最終場面では刺し違えかもとは思っていたが、想定外の終わり方で面白かったです。
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Vogelfreiさん
2022.11.24 12:24
みねさん
「グラン・トリノ」、ご覧になったのですね。クリント・イーストウッドの映画は、贔屓にしています。
下記は2009年に観た時の感想です。長くて理屈っぽくて恐縮です。

78才のクリント・イーストウッドが監督・主演。映画の舞台は、ミシガン州デトロイトのはずれの町。ウォルト・コワルスキーというポーランド系の老人。朝鮮戦争に従軍後、フォードで自動車工として勤め上げた。今はリタイア後の生活。自分の隣家にアジア系の家族が住みついたのも気に入らないし、息子がトヨタの車を販売して生活しているのも気に入らない。若者たちの服装や行動もいちいち気に障る。今の社会のすべてが気に食わない。力強い、大馬力のフオードの名車、グラントリノを大切に手入れして、車庫に置いている。古きよきアメリカとそのころの力に満ちた社会への思いの象徴である。住んでいる地域は、黒人とアジア系の少年グループが縄張り争いなどをしている治安の悪い住宅地。かっては白人の労働者階級が堅実で安定した市民コミュニティを作っていたのであろうと推測できるが、今では、黒人やアジア系の住民の住まいとなっている。転居して行かないで、こんなところにどうして白人が住んでいるのか、というモン族の老婆の言葉が面白い。主人公は、神に対しての罪を犯していないと考えているが、人間としては、朝鮮戦争で人を殺したことを大きな心の傷として持っている。戦争での行為は罪ではないと思っているが、人間として思い出したくもないこととして、心に抱えているという心理が面白い。この脚本のキイ・ポイントのひとつでもある。「ミリオンダラー・ベイビー」でも、神のもとめる善と、人間としての生き方の相克を描いていた。自分の好きなように生きていこうとしており、病を秘して、もう永く人生は残っていないとも思っている。そして、意識してか、無意識でか、自分の人間としての贖罪の機会を求めている。そこに、自分の行動が、モン族の家族に災難をもたらしたとの思いが加わる。そして、あのラストが来る。しかし、このラストはなにかと話題になりすぎており、肺ガンかと推測される主人公が選ぶであろう結末が読めるので、その分感銘といったものは薄れたのが残念。破綻のない優れた映画だが、最近のイーストウッド作品としては物足らなさを感じたことは否めない。(2009.05.01)
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