【鶯餅】
街の雨鶯餅がもう出たか 　　　　　　　　富安風生
鴬餅の持重りする柔らかさ 　　　　　　　篠原温亭
うぐひす餅食ふやをみなをまじへずに 　　森 澄雄
雪舞ふや鶯餅が口の中　　　　　　　　　 岸本尚毅
懐紙白鶯餅の色残る　　　　　　　　　　 稲畑汀子
手にはたくうぐひす餅のみどりの粉　　　 高浜年尾
風生逝く鴬餅の出る頃を　　　　　　　　 森田 峠
鶯餅ひとかどの粉こぼせしよ 　　　　　　藤田湘子
鴬餅帰心うながす置時計 　　　　　　　　阿部みどり女
老いしかや鴬餅に喉つまり　　　　　　　 後藤夜半
喉元のつめたき鶯餅の餡　　　　　　　　 川崎展宏
鶯餅つまみてどこもやはらかし　　　　　 伊藤伊那男

明日の兼題は、「啓蟄」です。