【遅日】
遅き日のつもりて遠きむかしかな 　　　　蕪 村
遅き日の光のせたり沖の浪 　　　　　　　太 祗
遅き日や日輪ひそむ竹の奥　　　　　　 　西山泊雲
この庭の遅日の石のいつまでも 　　　　　高浜虚子
生簀籠波間に浮ける遅日かな 　　　　　　鈴木真砂女
軽雷のあとの遅日をもてあます 　　　 　水原秋櫻子
砂山を下りて遅日の果てにけり 　　　　　文挟夫佐恵
暮れおそき草木の影をふみにけり 　　　　五十崎古郷
夢殿をめぐりめぐりて日の遅き 　　　　　中島月笠
縄とびの端もたさるる遅日かな 　　　　　橋 閒石
戸を開けて子を呼んでいる遅日かな 　　　千葉皓史
もとほるや遅き日暮るる黒木御所 　　　　志城 柏

明日の兼題は、「春障子」です。