【雲雀】
雲雀より空にやすらふ峠かな 　　　　　芭 蕉
山かげの夜明けをのぼる雲雀かな 　　　几 董
乾きては草に沈むやゆふひばり　　　　 千代女
鳴く雲雀人の貌から日の暮るる 　　　　一 茶
初ひばり胸の奥処といふ言葉 　　　　　細見綾子
雲雀野やここに広がる多摩河原 　　　　高浜虚子
わが背丈以上は空や初雲雀 　　　　　　中村草田男
雲雀落ちて天日もとの所にあり 　　　　村上鬼城
くもることわすれし空の雲雀かな 　　　久保田万太郎
雨の日は雨の雲雀のあがるなり 　　　　安住 敦
天に穴ありて落ちくる雲雀かな 　　　　野村喜舟
雲雀笛吹けば吹くほどかなしけり 　　　伊藤伊那男

明日の兼題は、「繁縷」です。