【八十八夜】
きらきらと八十八夜の雨墓に 　　　　石田波郷
楠の冷八十八夜足袋をはく 　　　　　森 澄雄
茅野の花紅きは八十八夜なり 　　　　角川源義
霜害を恐れ八十八夜待つ 　　　　　　高濱虚子
鮭の子の下る八十八夜とか 　　　　　高野素十
逢ひに行く八十八夜の雨の坂 　　　　藤田湘子
熟睡して八十八夜かがやけり 　　　　相馬遷子
山の湯に膝抱き八十八夜かな 　　　　木内彰志
海に降る雨の八十八夜かな　　　　　 大石悦子
音立てて八十八夜の山の水 　　　　　桂 信子
八十八夜鼠が白い米こぼす 　　　　　磯貝碧蹄館
望郷の目覚む八十八夜かな 　　　　　村越化石

明日の兼題は、「行く春」です。