【夏帽子】
夏帽に照りて真白き雲ばかり 　　　　水原秋櫻子
気後れのある日かぶらぬ夏帽子 　　　稲畑汀子
水上バス着いて吐き出す夏帽子　　 　石丸泰子
火の山の裾に夏帽振る別れ 　　　　　高浜虚子
紅唇のはみ出してをり夏帽子 　　　　横原律子
遠い日の雲呼ぶための夏帽子 　　　　大牧　広
雑踏を一直線にパナマ帽 　　　　　　山田一男
パナマ帽脱げば砂上の影も脱ぐ 　　　横山白虹
原爆の図を見る子らの夏帽子 　　　　磯貝碧蹄館
磯釣りの麦稈帽子覚えあり 　　　　　間嶋茂男
浅草や買ひしばかりの夏帽子　　　　 川口松太郎
ダム守のガイドもかねて夏帽子 　　　村井桂子

明日の兼題は、「雨蛙」です。