【生身魂】　
あの山の向うは知らず生身魂　　　　 木内怜子
古里にふたりそろひて生身魂 　　　　阿波野青畝
生身魂七十と申し達者なり　　　　 　正岡子規
生身魂やがて我等も菰の上　　　　 　一 茶
八十のあとは忘れし生身魂　　　　 　日下部宵三
生身魂生くる大儀を洩らさるる 　　　大橋敦子
生身魂とは人ごとでなかりしよ　　　 能村登四郎
生身魂蹠ふませてゐたまへり　　　　 清川とみ子
はらからは女ばかりや生身魂　　　　 田中柏文
囲まれて聞こし召しゐる生身魂 　　　岡村須恵男
ふところに沼風入れて生身魂 　　　　今井杏太郎
目と耳のほか健やかや生身魂　　　　 広谷春彦

明日の兼題は、「踊」です。