【残暑】
朝夕がどかとよろしき残暑かな　　　　 阿波野青畝
支那菓子のくづれやすさよ秋暑く　　　 鈴木真砂女
秋暑し鹿の匂ひの石畳　　　　　　　　 木村蕪城
吊革に手首まで入れ秋暑し　　　　　　 神蔵 器
残暑とはかかる日のこと庭を掃く 　　　星野立子
まなじりに残る暑さとなりにけり 　　　橋本榮治
ー服の緑茶に残暑おさへたり 　　　　　星野立子
かまぼこをまたくさらせし残暑かな 　　久保田万太郎
古九谷の紫の濃き残暑かな 　　　　　　笠原古畦
道に干す漁網の匂ひ秋暑し 　　　　　　小路紫峡
秋暑し海女の捨甕水ためて　　　　　　 野見山ひふみ
いちにちの残暑を消してくれし雨 　　　浅野右橘

明日の兼題は、「赤蜻蛉」です。