【柿落葉】
いちまいの柿の落葉にあまねき日 　　　　長谷川素逝
いち枚に夕日寝かせて柿落葉 　　　　　　吉田鴻司
柿落葉地に任せて美しき 　　　　　　　　瀧井孝作
柿落葉家鴨よごれて眠りたる 　　　　　　三好達治
落柿舎は煙草盆にも柿落葉 　　　　　　　阿部小壺
庭木戸を出て柿落葉踏みてゆく 　　　　　星野立子
掃き寄せて色の重なる柿落葉 　　　　　　穂坂日出子
紙焼きし灰柔らかに柿落葉 　　　　　　　横山房子
表より裏がひかりて柿落葉 　　　　　　　筒井 誠
柿一葉馬籠の空をすべり落つ　　　　　　 堀 古蝶
柿落葉一葉もらさず掃きにけり 　　　　　相島虚吼
柿落葉大きく音のして掃かれ 　　　　　　山室青芝

明日の兼題は、「石蕗の花」です。