【帰り花】
日あたりてまことに寂し返り花 　　　　日野草城
あやまちは神にもありぬ狂ひ花 　　　　成瀬桜桃子
真青な葉も二三枚返り花 　　　　　　　高野素十
薄日とは美しきもの帰り花 　　　　　　後藤夜半
しばしゐて肩ぬくもりぬ返り花 　　　　森 澄雄
ただ一つ白きつゝじの返り花 　　　　　阿部みどり女
きのふありけふまた別の帰り花 　　　　島谷征良
晩年の身につくうれひ帰り花 　　　　　原 舟月
日に消えて又現れぬ帰り花　　　　　 　高浜虚子
返り花呼ばれし如く立ち止まる　　　 　和歌山要子
伝えたきことありさうに返り花 　　　　コーヒー
不断来た茶売もしらず帰り花 　　　　　井上井月

明日の兼題は、「新海苔」です。