【焼藷】
石焼芋屋門前に来て火を焚けり 　　安住 敦
焼藷の風呂敷包誰が持つ 　　　　　星野立子
焼芋や八坂神社の朱の鳥居 　　　　龍岡 晋
焼藷の釜の業火を街に引く 　　　　古舘曹人
焼藷屋女マイクで流し来る 　　　　菊島 登
風の夜の風の連れ去る焼藷屋　　　 飯田弘子
焼藷屋来てゐる午後の永田町 　　　水田清子
焼芋の固きをつつく火箸かな 　　　室生犀星
焼芋やばッたり風の落ちし月 　　　久保田万太郎
焼藷屋も救世軍も風に呼ぶ 　　　　中村草田男
焼芋や月の叡山如意ヶ嶽 　　　　　日野草城
ネロの業火石焼芋の竃に燃ゆ 　　　西東三鬼

明日の兼題は、「狐火」です。