【狐火】
狐火を信じ男を信ぜざる 　　　　　　富安風生
狐火や髑髏に雨のたまる夜に 　　　　蕪 村
狐火に河内の國のくらさかな 　　　　後藤夜半
狐火やまこと顔にも一とくさり 　　　阿波野青畝
狐火や鯖街道は京を指す 　　　　　　加藤三七子
狐火の雨降り出でてなくなりぬ 　　　高浜虚子
きつね火の消えて確かむ連れの顔 　　飯田弘子
狐火のでることうそでなかりけり 　　久保田万太郎
狐火のつかずはなれず燃えにけり 　　高橋淡路女
狐火やさむさを一つづつともし　　　 龍岡 晋
狐火や湯田に湯の池ありし頃　　　　 堀口星眠
久女の墓ならば狐火点るやも 　　　　伊藤伊那男

明日の兼題は、「数へ日」です。