【蝋梅】
臘梅の咲きうつむくを勢ひとす　　　 皆吉爽雨
臘梅のこぼれ日障子透きとほす 　　　菅 裸馬
臘梅はもつと淋しい花の筈 　　　　　飯島晴子
臘梅を透けし日差の行方なし 　　　　後藤比奈夫
能楽堂出て臘梅の香に佇てり 　　　　加古宗也
一草庵臘梅の香が日だまりに　　　　 池内けい吾
沖のみの晴れて臘梅くらみたる 　　　角川春樹
臘梅や雪うち透かす枝のたけ 　　　　芥川龍之介
臘梅のつばらかに空凍てにけり 　　　石原舟月
臘梅に天冥きまで瑠璃きはむ 　　　　原 柯城
臘梅の香の一歩づつありそめし 　　　稲畑汀子
臘梅の匂ふや金地曼陀羅絵 　　　　　矢野宗律

明日の兼題は、「一月」です。