【寒稽古】
小つづみの血に染まり行く寒稽古 　　　　　武原はん女
大ぶりの椀の湯漬や寒稽古 　　　　　　　　水原秋櫻子
寒稽古病める師匠の厳しさよ　　　　　　　 高浜虚子
門弟の中のわが子や寒稽古　　　　　　　　 高野素十
くぐり門押せば開くなり寒稽古 　　　　　　鈴鹿野風呂
師三人並び現れ寒稽古　　　　　　　　　　 波多野爽波
角立ててたたむ手拭ひ寒稽古 　　　　　　　戸恒東人
老いてなほ稽古の鬼や寒稽古 　　　　　　　竹原梢梧
寒稽古青き畳に擲(なげう)たる 　　　　　　 日野草城
しろじろと月暁けてをり寒稽古 　　　　　　辻岡夏人
面取れば妙齢なりし寒稽古 　　　　　　　　永田百々枝
寒稽古らし城へゆく道ゆづる　　　　　　　 上杉苳子

明日の兼題は、「探梅」です。