【寒の入】
うす壁にづんづと寒が入りにけり 　　　一 茶
焚火して林しづかに寒の入 　　　　　　水原秋櫻子
黒松の幹の粗さや寒に入る 　　　　　　森 澄雄
高々と微塵の鳥や寒の入り 　　　　　　石田波郷
わが露路でつまづく寒に入りにけり　　 菖蒲あや
うめぼしの肉うつくしき寒の入　　　　 星野麦丘人
からからと寒が入るなり竹の宿　　　　 高浜虚子
寒入りし琥珀の空に未来あり 　　　　　阿波野青畝
寒に入る石を掴みて一樹根 　　　　　　加藤楸邨
寒に入る蝸牛らも石の類 　　　　　　　鷹羽狩行
わが十指われにかしづく寒の入 　　　　岡本 眸
子へ送る荷の結び目も寒に入る 　　　　広瀬直人

今日は「小寒」で「寒の入」なので、今日の兼題「煮凝」は明日に繰り延べしました。