【猫の子】
百代の過客しんがりに猫の子も 　　　　　　　加藤楸邨
泣き虫の子猫を親にもどしけり 　　　　　　　久保より江
九体仏親猫仔猫とほりけり 　　　　　　　　　細川加賀
猫の子や秤にかかりつつじやれる 　　　　　　一 茶
スリッパを越えかねてゐる仔猫かな　　　　　 高浜虚子
西もひがしもわからぬ猫の子なりけり　　　　 久保田万太郎
猫の子のつくづく見られなきにけり 　　　　　日野草城
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな　　　　　　　 飯田龍太
眉目悪き方を選びぬ捨仔猫 　　　　　　　　　本橋美和
猫の仔の鳴く闇しかと踏み通る 　　　　　　　中村草田男
われを視る眼の水色に今年猫 　　　　　　　　飯田蛇笏
目の合ひし仔猫そのまま飼はれけり 　　　　　伊藤伊那男

明日の兼題は、「土筆」です。