【躑躅】
つつじ燃ゆ海の夕日の惜しみなく　　　 枡田国市
庭芝に小みちまはりぬ花つつじ 　　　　芥川龍之介
旧道は今も砂利道山つつじ 　　　　　　加藤武夫
大巌の襞裂けたるに山躑躅 　　　　　　水原秋櫻子
きりしまや葉一つなき真盛り　　　　　 富安風生
花びらのうすしと思ふ白つつじ　　　　 高野素十
男体山の雨となりたる躑躅かな 　　　　皆川盤水
深山つつじ朝々霧のおろしけむ　　　　 臼田亜浪
牛放つ蓮華つつじの火の海へ 　　　　　青柳志解樹
吹き降りの中なる躑躅明りかな　　　　 岸本尚毅
塔見えて躑躅燃えたつ山路かな　　　　 阿波野青畝
二の丸をいま攻めのぼる火の躑躅　　　 伊藤孝一

明日の兼題は、「囀」です。