【初夏】
初夏に開く郵便切手ほどの窓　　　　　 有馬朗人
初夏の乳房の筋の青さかな 　　　　　　野村喜舟
初夏の塩のこぼれし畳かな　　　　　　 長谷川 櫂
初夏の山立ちめぐり四方に風　　　　　 水原秋桜子
初夏の波を好めり高波を 　　　　　　　藤後左右
初夏や夕月に添ふ星一つ 　　　　　　　小沢碧童
初夏や棕梠の葉ひらく影づくり 　　　　大須賀乙字
大盛に奄美の首夏の豚料理 　　　　　　邊見京子
嶺瞭かに初夏の市民ゆく 　　　　　　　飯田龍太
庭下駄に足のせ初夏の縁に腰 　　　　　星野立子
新潟の初夏はよろしや佐渡も見え 　　　高浜虚子
水疲れしてはや首夏の美少年 　　　　　三橋敏雄

明日の兼題は、「鯉幟」です。