【若葉】
あらたうと青葉若葉の日の光 　　　　　芭 蕉
若葉して御目の雫ぬぐはばや 　　　　　芭 蕉
不二ひとつ埋み残して若葉哉 　　　　　蕪 村
若葉風ひとゆれで発つ小海線 　　　　　土生重次
木道の果て十方の若葉風　　　　　　　 松本照子
あきらかに雀吹かるゝ若葉かな 　　　　原 石鼎
ざぶざふと白壁洗ふ若葉かな　　　　　 一 茶
若葉風入れてワープロ機嫌よく 　　　　斉藤たま江
若葉道ころがしてゆく旅鞄 　　　　　　高間礼子
槍投の裸像の空を若葉風 　　　　　　　福本天心
皿の墨すぐにかわくよ若葉風 　　　　　星野立子
旅二日胸に若葉の鳴りやまず 　　　　　吉原文音

明日の兼題は、「蛸」です。