【秋夕焼】
杉の秀にわだの翠眉や秋夕焼 　　　　　富安風生
渤海の秋夕焼やすぐをはる 　　　　　　加藤楸邨
秋夕映えの真顔ばかりが揺られをり　　 森 澄雄
連嶺も踏める砂礫も秋夕焼 　　　　　　福田蓼汀
牛減りて残る曲屋秋夕焼 　　　　　　　清水寥人
光太郎の棲みたる山の秋夕焼 　　　　　岡田智了
高麗の里秋夕映に鳥の帰路 　　　　　　貞弘 衛
鳩小屋に秋夕焼を賜はりぬ 　　　　　　石田波郷
俎に流す血黒し秋夕焼 　　　　　　　　桂 信子
へら釣の終るサイレン秋夕焼　　　　　 村上辰良
鷺たかし秋夕焼に透きとほり 　　　　　軽部烏頭子
造成地にビル建つまでの秋夕焼 　　　　寺岡捷子

明日の兼題は、「刈田」です。