【夕凪】
夕凪や浜蜻蛉につつまれて　　　　　　　　 臼田亞浪
夕凪を客にわびつつ簾捲く 　　　　　　　　五十嵐播水
夕凪に乳啣ませてゐたるかな　　　　　　　 久米三汀
夕凪やのこぎりでひく大鮪 　　　　　　　　皆川盤水
夕凪や使はねば水流れ過ぐ　　　　　　　　 永田耕衣
夕凪のますほの小貝見当らず 　　　　　　　清水基吉
風死すとヨット部員ら游ぎをり 　　　　　　野見山朱鳥
夕凪や素足にぬるき汐よせし　　　　　　　 久保より江
夕凪のいま西へ行く舟ばかり 　　　　　　　下村梅子
夕凪や島より帰る豆腐売 　　　　　　　　　小野寺清人
夕凪ぎて荒布いろなる家の中 　　　　　　　福田甲子雄
夕凪や歩いて渡る神の島　　　　　　　　　 磯野充伯

明日の兼題は、「向日葵」です。なお、来週からは秋の季語になりますのでよろしくお願いします。兼題の出来ないときは、自由題もＯＫです。