【衣被】
今生のいまが倖せ衣被 　　　　　　鈴木真砂女
子にうつす故里なまり衣被　　　　 石橋秀野
何となく独り身をかし衣被　　　　 山田みづえ
雨夜きて仏の前のきぬかつぎ 　　　大野林火
衣被しばらく湯気をあげにけり 　　八木林之助
土佐沖のうねりまともや衣被 　　　斉藤梅子
衣被母がよく食べよく老いぬ 　　　白川京子
六兵衛の皿に盛られて衣被 　　　　青柳照葉
ほこ～と歯にやさしさや衣被 　　　河野静雲
衣被つるりと剥けし夕浅間 　　　　松本澄江
衣被酔ふとつぶやく肥後訛 　　　　松本陽平
写真見る昔ふとりしきぬかつぎ　　 高浜虚子

木曜日の兼題は、「新藁」です。