【稲雀】　
稲雀散つてかたまる海の上 　　　　　　森 澄雄
稲雀農夫貧しくイエスに似て 　　　　　有馬朗人
稲雀遠き踏切のベルが鳴る　　　　　　 山口青邨
稲雀降りんとするや大うねり　　　　　 村上鬼城
リーダーがゐて一群の稲雀 　　　　　　青柳志解樹
踏切の鳴るたびに翔ち稲雀 　　　　　　中村和子
稲雀大菩薩嶺はひるかすむ 　　　　　　飯田蛇笏
稲雀飛鳥の風にひろがれり 　　　　　　中 拓夫
馬市の果つれば群れ来稲雀 　　　　　　林秀一郎
稲雀群れては古都の日を消せり 　　　　八幡城太郎
夕富士の火屑となんぬ稲雀 　　　　　　高野寒甫
稲雀逃げきて賢治詩碑の前 　　　　　　伊藤伊那男

明日の兼題は、「露」です。