【認知症予防にも効果】「芸術は健康だ!」アートの力に注目を
今、世界でアートの力に注目が集まっています。
人々の健康や長寿に、いい影響を与えることがわかってきたのだとか。

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岡本太郎風に言えば「芸術は健康だ!」ということなのかもしれません。
今回は病院や介護施設にアートを取り入れる動きや、なぜアートが健康につながるのかを考えます。
世界で進む「病院にアート」
アートの力で健康になろうという取り組みが世界中で始まっていることをご存知でしたか?
実際にアートの力を導入しているイギリスのとある病院では、入院日数の短縮や鎮痛剤の使用量の減少、認知症の症状の改善などが確認されています。
このおかげで、医療費や病院運営の軽費を大幅に削減することにも成功しているのだとか。
実際にどのようなアートが取り入れられているのかを少しだけ紹介します。
小児救急エリアではベッドの真上に気球のイラストが描かれていたり、壁には子供が好きな動物の絵が描かれています。
これは、つらい治療から少しでも気を紛らわせることを目的としているそうです。
実際に効果も確認されており、87%の患者で痛みが軽減したと感じているようで、その効果の高さが伺えます。
さらに最も大きな効果は、通常約7分かかっていた採血時間が、3分以下にまで短縮されたことです。
アートを取り入れることで、さまざまな心的、肉体的効果があることが、海外では認知され始めています。
アートの力は終末期医療の現場でも効果を発揮しています。
現場では、アート専門のセラピストやアーティストが毎日のように患者とともに創作活動をして、作品を作っているそう。
実際に創作活動をすることで、患者の不安や孤独に感じる気持ちをほぐしていきます。
病気のことを一度忘れ、創作活動に集中することで、とても良い時間を過ごすことができると、とても好評なのだとか。
アートは「心の栄養」

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デンマークという国では学校や図書館はもちろん、病院に至るまであらゆる場所がアートで溢れています。
そして週末にはルイジアナ現代美術館に多くの人が訪れるという、アートが生活に根付いた国です。
デンマーク人にとってアートはとても身近で、とても重要な役割を持っています。
芸術によって生活空間を豊かに演出することで、長くて暗い冬を乗り切ろうという気持ちが現れているというのです。
例えば病院にアートがあれば、それは患者だけではなく、そこに務める医者や看護師、お見舞いに訪れた人たちにまで「幸福感」を与えてくれます。
無機質な病院よりもアートがある病院の方が華やかに感じますし、安心感もありますよね。
このアートが与えてくれる小さな幸福感が癒やしこそが「心の栄養」となって、生活を豊かにしてくれるのです。
また、小さな頃からアートに触れることで、物を見る力も養えることでしょう。
芸術家は「長生き脳」になる?

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「六十、七十は、はなたれ小僧。男ざかりは、 百から百から、わしもこれからこれから」
この言葉は107歳で亡くなり、世界最高齢の芸術家をして知られる平櫛田中さんの言葉です。
他にも奥村土牛さんは101歳、日本画家の小倉遊亀さんは105歳、彫刻家の北村西望さんは102歳、あの有名なピカソが92歳など、高齢になっても現役で活動を続けていた芸術家はとても多くいます。
医学的に見れば芸術家は手をよく使う仕事であることが長寿の要因のひとつであると考えられています。
手は「第二の脳」「外部の脳」と呼ばれているくらいなので、手をよく動かす芸術家は脳もよく動かしているといえます。
しかし、他の仕事でも手を動かすものはいくらでもありそうですよね。
では、実際に芸術家の脳は一体どうなっているのでしょうか?
とある調査報告を簡単に説明していきます。
この調査では、21人の美大生と23人の非アーティストの脳をスキャンしたというものです。
それによると、美大生のグループは頭頂葉中の楔前部(けつぜんぶ)と呼ばれる部分に、非アーティストグループに比べて、著しく多い灰白質(かいはくしつ=中枢神経系の神経組織のうち、神経細胞の細胞体が存在している部分のこと)があるということがわかりました。
作品を制作するにあたって、意識を集中して対象を観察するなど、脳をフル回転させることで、脳が鍛えられるためだそう。
芸術家が長生き、という根拠にもなるでしょう。
手足、目など全身を使い、表現するアート。
自分が表現したいものを表現するということは、非アーティストと比べ、とてもよく脳を使っているということでしょう。
また、こうした脳の働きは、認知症の予防効果も期待できるそうです。
スローネット会員のみなさまも、できる範囲から芸術に触れてみてはいかがでしょうか?
見るだけでも、多くの情報を処理するために脳を使うものです。
たくさんの芸術作品を見ることで、新しい趣味の発見にもつながるかもしれません。
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