針を使わない血糖値測定!最新「IoT」を活用した糖尿病治療とは?
糖尿病患者が血糖コントロールを改善するためには、体重管理、運動の習慣化などさまざまな生活習慣を変える、改善することが必要です。
医師や保健指導者は診療や保健指導を通して、自己管理のノウハウを提供し、糖尿病患者へ動機づけを行っています。
しかし、指導されたとしても実際に改善していくのは患者自身。
だからこそ、モチベーションを維持するのが難しく、治療から脱落してしまう人も多いのです。
最新のIoTを活用すれば、これまでよりも手軽に糖尿病治療に向き合えるようになるかもしれません。
血糖値コントロールを楽にする!日本初のSMSによるアラート通知

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
糖尿病患者のうち、インスリンを自己注射している人が最も気をつけなければならないのが、インスリンの効きすぎや過剰な運動をしてしまったことによる低血糖状態。
低血糖は発見が遅れてしまうと、意識障害や意識を失ってしまうなどのリスクが有るため、常に状況を把握しておく必要があります。
特に食事の前後や就寝前後など、多い人だと1日7~8回も測定しているそう。
これまで血糖値の測定は、指先に針を刺し、血液を測定する、という方法が一般的でした。
しかし、最近では針を刺さなくとも測定できる方法が増えてきています。
そのうちのひとつが以下。
日本メドトロニックは、モバイル機器(スマートフォンなど)にデータを送ることで、インスリン治療中に糖尿病患者が行う血糖コントロールをサポートする持続グルコースモニタリング(CGM)システム「ガーディアン コネクト システム」の販売を、2018年12月からはじめました。
同システムは5分毎に皮下間質液中のグルコース濃度を測定し、データを手持ちのモバイル機器に送信するもの。
CGMシステムは血糖変動を連続的に取得するシステムで、小型のセンサーを腹部などの皮下に挿入し、センサーが常に間質液中のグルコース濃度を測定する、という仕組み。
測定された数値は5分毎に送信されるので、最新の状況を把握し続けることが可能です。
普段使用しているスマートフォンなどに常にデータが送られてくるので、リアルタイムに状況を把握できる優れもので、日々の糖尿病管理が今までよりも楽になると期待されています。
グルコース値は患者ひとりひとりに適した値を設定することが可能なので、高血糖や低血糖に対する回避行動がとりやすくなることでしょう。
関連リンク:日本メドトロニック株式会社 プレスリリース
海外ではすでに同様のシステムを組み込んだ商品はありましたが、「ガーディアン コネクト システム」には、CGMシステムとして日本初、SMSテキストメッセージ(ショートメール、ショートメッセージ)によるアラートを通知する機能も搭載。
糖尿病患者だけでなく、その家族、医療従事者も同じアラートを受け取ることができるので、より管理がしやすくなったといえるでしょう。
また、同システムには「CareLink(ケアリンク)」糖尿病管理ソフトへ定期的にデータをアップロードする機能も搭載。
インスリン治療を受ける際に、糖尿病患者と医療従事者で同じデータを共有することができます。
現在のところ、「ガーディアン コネクトアプリ」はiOS(iPhone)でのみ提供されていますが、Androidでも今後提供される予定となっています。
どのようなスマホでも同様のサービスが受けられるようになれば、糖尿病の闘病生活が少しだけ楽になりそうです。
インスリン治療では、医師に指導されたとおりに注射していたとしても、さまざま要因で予期せぬ低血糖を起こしてしまうことがあります。
従来は運転中や就寝中など、自分ではすぐに対処できない状態にある糖尿病患者の血糖変動をリアルタイムに知る方法が限られていました。
しかし、「ガーディアンコネクト」を活用することで、リアルタイムに把握できるだけでなく、低値・高値の場合はアラートも上がってくるので、より対処しやすくなったといえるでしょう。
低血糖の予兆を早めに知ることのできる手段と、正しい対処法を身に着けておくことで、自分の身を低血糖から守ることができそうです。
運動習慣を身につける、痩せる、体重を維持する…糖尿病患者の「痛み」を開放する

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糖尿病患者の痛みといえば「インスリンの自己注射」をしている患者が行う血糖値測定。
指先に針を刺すなどし血を取って血糖値を測定するのが一般的な方法でした。
しかし、2017年に登場し、2017年9月からは保険適用になった血糖値測定器は、針を刺して血液測定しなくとも、血糖値を常時把握することが可能になりました。
数値の上がり下がりをひとつのグラフとして、連続的に見られるため、低値になるリスクを減らすことが可能です。
上腕に500円玉大のセンサーを貼り付け、そのセンサーにスマホをひとまわり小さくしたような手のひらサイズの端末を近づけると、約1秒で皮下のグルコース(ブドウ糖)値がわかるようになったのです。
データは無線でやり取りするため、服の上やコートの上からでも、センサーに端末を近づけるだけでOK。
この機械はアボットジャパンが供給する「フリースタイル リブレ」という商品。
大きな特徴はセンサーに微小な針がついている、という点。
センサーの微小な針が皮膚のすぐ下にある間質液中のグルコース濃度を常に測定しているため、リアルタイムな数値がわかるのです。
センサーは毎日取り替える必要はなく、2週間毎の交換でOK。
装着中でも入浴やランニング、水泳まで可能だというから驚きです。
グラフとして見られるので、インスリンの作用を見極めながら注射のタイミングなどの工夫ができるのは嬉しいポイントでしょう。
こうした機器を活用することで、診療方針も立てやすくなりました。
これまで、長期の連続データを正確に測定する方法は乏しかったですが、これらを活用することで、長期間のデータであっても正確に測定できるようになったので、治療方針の見直しもしやすくなったそう。
便利なアイテムを活用し、少しでも負担なく闘病生活を送りたいですね。
インスリン自己注射患者待望!センサーに指先5秒で数値がわかる 開発中の最新測定器

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ライトタッチテクノロジーは採血不要の自己測定式血糖値センサーを、2021年を目処に商品化予定。
ここまでご紹介してきた方法は、いずれも従来より手軽に測定できる方法でした。
しかし、いずれも血液を介さなければ正しい値を知ることができません。
しかし、ライトタッチテクノロジーが開発を進める新たな測定器は、血液に触れる必要が全く必要のない測定方法。
大きなメリットは痛みが完全にないことと、消耗品が不要なこと。
これまでは消耗品交換も含めれば月約2万円の費用が必要でした。
しかし、同社が開発する測定器なら必要な費用は月額約1万2,000円のみ。
価格も手頃になることから、多くの糖尿病患者が期待している測定器です。
非侵襲リアルタイム血糖値センサーの開発、生体成分分析評価:ライトタッチテクノロジー
測定方法は中赤外レーザーを採用。
中赤外レーザーは可視光など従来の光源の約10億倍の明るさを持つ、といいます。
中赤外レーザーは特定物質の波長に合わせて光を吸収します。
6マイクロ~9マイクロメートルの波長帯を使用し、血液中の血糖値を正確に測定することができるのです。
これができれば、糖尿病患者の血糖値測定に革命が起きそうですね。
糖尿病患者の治療の負担はとても大きなものです。
毎食前後の血糖値測定、就寝前後の血糖値測定など、インスリンを自己注射するためには常に自分の身体の状況を把握しておく必要があります。
この測定がとても手軽になるのであれば、今後は治療負担も少なくなりそうですね。
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