気づいたときにはもう遅い!?忍び寄る腎臓病の恐怖!腎臓の役割や腎臓を悪くする原因、健康に保つ方法などをご紹介
腎臓病は腎臓の糸球体や尿細管が犯されることで腎臓の働きが悪くなる病気のこと。
さまざまな種類があり、それぞれ原因は異なります。
腎臓病の大きな特徴は、一度機能を失ってしまうと回復することがない場合が多いこと。
慢性腎不全という病態になってしまうと、回復することはほとんどありません。
だからこそ、日頃からしっかりと気をつけ、腎臓病を未然に防ぐ必要があるのです。
ところが、腎臓病は悪くなってもなかなかサインに気がつきにくい病気。
今回の記事では気がつきにくい腎臓の病気を予防するには、どのようなことに気をつければよいのかについてご紹介いたします。
腎臓はどのような役割を果たしているの?

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まず最初は腎臓の役割について確認していきましょう。
腎臓には4つの役割があるので、それぞれの役割について詳しく見ていきます。
尿を生成する
腎臓は血液中から「必要なもの」と「不必要なもの」を仕分ける仕事をしています。
腎動脈を経由して腎臓で必要なものを回収。
その後はキレイになった血液を腎静脈に返しているのです。
ろ過の過程で不必要なものは尿として排出する働きをしています。
バランスを整える
腎臓はバランスを整える働きもしています。
身体にとって不要なものを外に出すことで、身体のバランスを整えているのです。
もっとも大きなところだと、体調や気候で排出する水分の量を調節しています。
汗をたくさんかいたときには濃い尿を少量作って体外に排出したり、汗をかいていないときは薄い尿を大量に作って体外に排出させたりしています。
腎臓がうまく働いてくれないと、むくみが出ることも。
靴をはくのも大変なくらいむくんでしまったり、体重が増加したりすることも.
水分が上手に排出できないことで、身体に水分が溜まって起こる現象です。
血圧を安定させる
腎臓は血圧を安定させる働きもあります。
血圧が高いときは下げ、低いときは上げるようコントロールしているのです。
腎臓がうまく働かないと、血圧をコントロールできなくなり、高血圧になることも。
高血圧状態が続くと腎臓にも負担をかけることとなるのです。
ホルモンを生成する
腎臓は身体に必要ないくつかのホルモンも生成しています。
腎臓が生成しているのは「エリスロポエチン(EPO)」「活性型ビタミンD」など。
「エリスロポエチン」は赤血球の産生を促進する造血因子のひとつです。
赤血球が減少すると貧血にもなるので、腎臓はとても重要な働きしていることがわかりますよね。
また、「活性型ビタミンD」はカルシウムに関係します。
歯や骨を強くするにはカルシウムが不可欠。
そのカルシウムの吸収を助けるために、「活性型ビタミンD」は活躍しているのです。
こうしてみてみると腎臓はとても重要な働きをしているのがわかりますよね。
端的に言うと、血液をろ過して老廃物と身体に必要なものを仕分けしているのが腎臓。
何らかの原因で腎障害が起こる(糸球体が障害される)とタンパク質や赤血球が尿のなかに出てきます。
尿検査でタンパク質や血尿が認められると、腎臓病を疑われるのです。
腎臓の機能が失われる慢性腎不全は、数ヶ月から数十年という長い時間をかけて徐々に進行します。
初期には自覚症状はほとんどなく、気がついたときにはかなり病態が悪化しているというのが怖いところ。
病気が進むと腎臓の機能は回復しないので、早め早めの治療が求められるのです。
腎臓が悪くなる原因と症状は?亜鉛と慢性腎臓病は関係がある?

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では一体、腎臓はなぜ悪くなるのでしょうか?
そもそも慢性腎臓病とは尿のなかにタンパク質が漏れ出ている状態(タンパク尿)の総称。
慢性腎臓病の危険因子は「肥満」「メタボリックシンドローム」「脂質異常」「高尿酸血症」「加齢」「喫煙習慣」などが上げられます。
つまり、食べ過ぎ、運動不足、喫煙など長年の生活習慣が原因になる場合が多いのです。
慢性腎臓病は次の3つが代表的なもの。
- 糖尿病性腎症
…糖尿病の合併症のひとつ。腎臓の働きが低下する病気 - 腎硬化症
…高血圧と加齢が影響し、糸球体が障害される病気 - 慢性糸球体腎炎
…免疫異常や炎症が関わって発症する病気。IgA腎症や膜性腎症なども含まれます。
近年では糖尿病を起因とする糖尿病性腎症の患者が増えているそうです。
慢性糸球体腎炎は生活習慣はあまり関係せず、免疫異常などで若い人であっても発症しやすい病気だったため、これまで慢性腎臓病患者のなかでも割合が高かったですが、近年は大きく割合が低下しています。
腎硬化症は高血圧が影響し、こちらは高齢化などと合わさって患者数は増加しているそうです。
腎臓病かも?腎臓からのサインを見逃さないで
では、実際に腎臓病になると身体はどのようなサインを発するのでしょうか?
初期段階では本当に微細なサインしか発しないので、ぜひ見逃さないでくださいね。
腎臓からのサインのひとつめは「尿の色」です。
尿の色は体調によって日々、時間によっても変わってきます。
しかし、通常であれば澄んだ黄色っぽい色ですよね。
腎臓などに異常があると、尿の色が変わってきます。
タンパク尿の場合は、濁ったような色になり、泡立ちが目立ちます。
赤血球が尿に混じって排出される血尿は、褐色の濃い尿が出るのが特徴。
血尿やタンパク尿は気をつけていれば発見することは可能です。
ぜひこれからは尿を気をつけてみてみるようにしましょう。
もしも不安な場合は、市販の尿試験紙を利用するという手もあります。
尿試験紙は腎臓の健康状態だけでなく、糖尿病、肝臓病、膀胱炎、尿路感染症などほかの病気を知ることもできるので、非常に有用です。
腎臓からのサインのふたつめは「身体のむくみ」。
身体がむくむのは腎臓の機能低下を示すサイン。
まぶたが腫れぼったくなったり、指輪が入らなくなったり、靴下のゴムの痕がなかなか消えなかったり、今まで問題なかった靴がきつく感じてしまったり、といった症状を自覚している方は、身体がむくんでいるかもしれません。
なんとなく太ってきた、と感じている方も、原因はむくみの可能性があります。
なかでも血糖値が高い人は、腎臓の機能低下に伴い、むくみ症状が発現しやすいので要注意です。
腎臓からのサインの三つめは「トイレが近くなる」。
中高年になるとトイレは近くなるもの。
これからの寒い時期は特にトイレに行きたくなりますよね。
1日の排尿回数は人によってさまざまですが、一般的に3回から10回の範囲内であれば正常だとされています。
10回を超える場合は、頻尿の可能性があります。
泌尿器科を受診しましょう。
慢性腎炎や糖尿病の場合には、尿の量も増えて、トイレ回数が多くなります。
トイレの回数が11回以上という方は、一度検査を受けてみてはいかがでしょうか?
慢性腎炎と亜鉛の関係性
亜鉛は身体にとって欠かせない成分です。
亜鉛が不足すると味覚障害、性機能障害、免疫能力低下などの症状を引き起こします。
慢性腎臓病患者の血清亜鉛濃度は、腎機能の低下と相関して低下する傾向にあるそうです。
最近では亜鉛を補う治療も行われているそうですよ。
腎臓病を予防する!腎臓を健康に保つためには?食事やアルコールなど生活習慣を見直そう

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慢性腎臓病についていろいろとご紹介してきました。
いずれにしても大切なのは日々の自己管理です。
血圧、体重をしっかりと管理し、運動を習慣づけ、喫煙習慣を見直してみましょう。
食事はバランス良く食べる、野菜をたくさんとる、塩分・脂質の摂り過ぎに注意する。
適度な運動、適度な水分補給を行う。
アルコールを飲み過ぎない、喫煙しない、というのが腎臓病予防の鍵。
また、定期的に健康診断を受けることをお忘れなく。
毎日の変化に気をつけると腎臓病を早期発見できるかも知れません。
ぜひこれらの項目に気をつけてみてくださいね。
尿の色、様子は特に気をつけて観察してみましょう。
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とても参考になりました。これから節酒・禁煙に努力しましょう(これがなかなか難しい)。加齢(83歳)はどうしようもありませんが・・・。
ひとつ誤字に気がつきました。吸収→九州とか、もう1件気がつきましたが忘れました。