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お正月余った御餅をよく噛まないで飲み込み、最悪窒息死に…。毎年多くの人が亡くなる「餅」

何か急いで食べたときや、呼吸を間違ったとき、一瞬のどに飲食物が詰まって苦しかった経験をした人は多いのではないでしょうか?
このとき、息ができないことに恐怖を感じた方も多いと思います。

子供や高齢者の日常生活で注意しなければならないのが「窒息」。
今年も多くの方は餅をのどに詰まらせて亡くなりました。
改めて窒息の怖さや窒息死を防ぐ方法を学んでいきましょう。

本日は「窒息」をご紹介します。

年末年始はとくに注意!窒息で命を失う高齢者が多い!窒息死の恐怖

年末年始はとくに注意!窒息で命を失う高齢者が多い!窒息死の恐怖

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

餅を食べる機会が多い年末年始。
餅をのどに詰まらせ、亡くなったというニュースが毎年報道されています。

東京消防庁の調査によると、餅の窒息事故で救急搬送される患者の半数以上は12月と1月に集中しているそうです。

参考:東京消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/camp/2018/201812/camp1.html

また、消費者庁の報告によると、「不慮の窒息」で1月だけで1,300人以上が死亡しているそうです。
不慮の窒息による死亡者は9割以上が65歳以上で、高齢者ほど窒息事故を起こしやすい、というのがわかっています。
高齢になると飲み込む力が弱くなったり、服用している薬の副作用で唾液分泌が抑制され、うまく飲み込めなくなることが原因だと考えられます。

参考:消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/131218kouhyou_1.pdf

さらに不慮の窒息事故のうち、食べ物が気道に詰まり窒息した事故だけに限定すると、高齢者が占める割合が40パーセントを超えています。

東京消防庁管内で餅・団子等による窒息事故で救急搬送された人数は平成20年から平成24年までの5年間で608人。
このうち、高齢者の事故は約90パーセントを占めています。

大阪市消防局管内で餅による気道閉塞・窒息で救急搬送された人数を見てみると、平成20年から平成24年までの5年間で101人。
このうち、80パーセント以上が高齢者が占めています。

いかがでしょうか?
これだけの人数が餅などをのどに詰まらせ、救急搬送されているのです。

窒息するとどうなる?

窒息すると当然酸素を取り込めなくなります。
そのため、わずか数分で意識を失ってしまうそうです。

一度酸素が取り込めなくなると脳への酸素供給が途絶え、脳に回復不可能なダメージを与えてしまうことも。

気道が再開痛したとしても、救命できなかったり、仮に命が助かったとしても生きてはいるけれど意識が戻らなくなったりするケースも少なくありません。
もちろん、飲み込む力の弱い子どもも同様のリスクを抱えています。

窒息事故の予防

窒息のリスクが高いことから消防庁は、「小さく切って食べやすい大きさにする」「ゆっくり噛んでから飲み込む」「乳幼児や高齢者が餅を食べるときは家族と一緒に食べる」という点を心がけて欲しい、と呼び掛けています。

昔のように大きな餅を食べたい、という方ももちろん多いかと思います。
しかし、昔よりも飲み込む力が確かに弱っているため、細心の注意を払って餅を食べる必要がありそうです。

餅はもちろん、誤飲、アレルギーにも注意を

このほか、小さなお孫さんなどは誤飲にも十分注意しましょう。
特に帰省などで環境が変わると、親の目が行き届かないこともあります。
誤飲しそうなものは、手の届かない場所に置くなどの工夫が必要です。

また、アレルギー症状で救急搬送される人も少なくありません。
家族が集まるときは、改めてアレルギーの有無などを事前に共有しておきましょう。
重篤なアレルギーは食材を分けていても、舞う粉などでも発症することもあります。

アレルギーはいつ発症するかわからないので、年末年始の帰省に限らず、家族が集まる機会があれば確認しておいた方が良いでしょう。

のどに詰まりやすい食べ物は避けよう

のどに詰まりやすい食べ物は避けよう

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

さて、食べ物をのどに詰まらせてしまう「誤嚥」「窒息」といった事故は、人が常にいる介護施設などでも起こっています。

餅の事故が目立っていますが、実際にはパンなどでも窒息事故は起こっています。

パンはとても手軽に食べられ、あまりのどにつまるイメージがないかもしれません。
しかし、口に含むと水分を吸って大きく、そして重くなるため、食べ物を飲み込む機能が弱い人は危険な食べ物なのです。

実際に鹿児島県内の介護老人保健施設に2は3日のショートステイで入所していた70代後半の男性が、朝食でロールパンなどを食べた後にむせ、約1時間後には心肺停止状態に。
のどに詰まっていたパンの塊が取り除かれましたが、低酸素脳症に陥り、意識が戻らず、重い障害が残る、という事件が発生しました。
この事件は裁判になり、男性の家族らが施設側を相手取り損害賠償を求めて提訴。
2017年3月、鹿児島地裁は「施設側は誤嚥のリスクを認識しており、パンを提供するにも小さくちぎって出す必要があった」として原告側の請求をほぼ認め、施設側に約4000万円の支払いを命じました。

このようにプロがいる場であっても誤嚥による事故は発生しているのです。

一審判決によると、家族は事前に施設側に「誤嚥を起こしやすいので、おにぎりを10分割にしてほしい」と伝えており、施設の記録にも残っていたと言います。
自分の誤嚥機能は思った以上に衰えている可能性があります。
食べ物はなるべく小さくして食べる習慣を今のうちから身につけておくことが、将来的に誤嚥を防ぐポイントになるかもしれませんね。

のどに詰まりやすい食べ物

パンやおにぎり、餅をはじめのどに詰まりやすい食べ物は複数あります。
どのような食べ物がのどに詰まりやすいのでしょうか?

  • いかやたこ、きのこ類(加熱しても柔らかくなりにくい)
  • ナッツ類(堅いもの)
  • のり(薄いもの)
  • ふかし芋、餅(粘りがあり、固まりやすいもの)
  • 青菜類(繊維が強いもの)

これらの食べ物を食べるときは要注意。
年齢を問わず、のどに詰まらせやすい食べ物なので、充分気をつけましょう。

このほか、口のなかが乾燥していると詰まりやすいので、お水、お茶などで口の中を湿らせながら食べる習慣を身につけるとよいでしょう。
現在入れ歯を入れている方は、噛みやすさを向上させるため、かみ合わせ、フィット感などの調整を行いましょう。

もしのどに何かがつまったらどう対処する?応急措置法

もしのどに何かがつまったらどう対処する?応急措置法

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

では、もしもパートナーや家族が餅を詰まらせてしまったとき、どのような応急措置を行えば良いのでしょうか?
まだ意識がある場合は「ハイムリック法」か「背部叩打(こうだ)法」が有効です。

ハイムリック法は腹部突き上げ法とも言われ、対象者を立たせるか座らせた状態で、患者の背後から両脇に腕を通し、対象者を抱きかかえます。
救護する人は対象者と身体を密着させ、片手でへその位置を確認し、もう一方の手で握りこぶしをつくって、親指側をへそより↑、みぞおちより下に当てます。
その後はへその位置を確認した手も握りこぶしをつくって、手前上方に向かって一気に突き上げます。
何度か試してみましょう。

背部叩打法は対象者を横向けに寝かせ、救護車は手の付け根で肩甲骨の間を何度も強くたたきます。
この方法は対象者が立っていても、座っていても有効です。

ハイムリック法、背部叩打法の両方を試してみましょう。

意識がない場合は、心肺蘇生法を。
救急車を呼んで、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返し行います。
心肺蘇生の途中で口の中に異物が見えた場合は、速やかに異物を取り除きましょう。

毎年発生する痛ましい窒息事故。
自ら防止することも重要ですが、誰かが窒息しているときは速やかに対処できるよう、準備をしておきましょう。

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