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川柳講座

初級の方でも気軽に参加できる楽しい川柳講座です。日常のあれこれ、人の世のことを、優しく、鋭く詠んでみませんか? 
毎月、投稿作品の中から優秀作品を選出し、講師による講評を発表します。是非、皆さんの川柳作りにお役立て下さい。

11月の講評 「 秋 」

2008年11月1日~2008年11月30日受付分

特選

いわし雲みると小腹が空いてくる彦翁

入道雲(積乱雲)は夏。いわし雲(巻積雲)は秋。秋の到来を思わせるものはたくさんありますが、雲の変化もその一つでしょう。
毎年10月4日には、104(いわし)ということで、千葉県銚子市で「いわし川柳大会」が催されます。来年、投句なさってください。

秀作

釣瓶落しされど女の長電話釣りキチ

こういう奥さんに苦笑を浮かべているご主人の表情を想像して笑ってしまいましたが、他人事にあらずでした。うちのカミさんも。

鼻毛抜きかざせば白き秋の風みすず

私もよくやるのですが、鼻毛を抜くと、どうしてそれをしげしげと見つめてしまうのでしょうね。「かざせば」が泣かせます。

天高く肥えないように散歩するyas3

食欲の秋なので肥り過ぎるのを警戒する句と、秋だからいいじゃないかという句の二つの派に分かれました。

籾殻の煙棚引き芋を焼くあっさむ

焚火と違ったおもしろさが、籾殻焼きにはあります。おいもさんも、じっくりと焼き上ります。煙がたなびく晩秋の夕暮れを想いました。

芋類が勢ぞろいする台所一歩

サツマイモにサトイモにヤツガラシ、さらにマルイモとジネンジョも加わって、台所はイモ尽くし。新米もおいしいが、イモもうまい。

歩道橋螺旋上れば秋の空mira

螺旋階段を上りつめると黄葉のイチョウをぬけて、パッとひろがる、それこそぬけるような青空。秋を実感する一瞬です。

減ってゆく余生へ秋の陽を惜しむ勲生

季節は秋、そして人生も秋。秋は次に冬をひかえています。しかも秋の陽は釣瓶落し。静かにお酒をいただいて人生を語りましょう。

選後雑感

課題「秋」へたくさんのご力作をお寄せくださってありがとうございました。

 「秋」ということばを直接詠み込んだもの、詠み込まないで内容で「秋」を表出したものとにわかれましたが、いずれにしても、秋という季節が取りあげられていました。中には人生の秋を見つめて作句した方もおられました。これも、もちろん結構です。

 みなさんは、歳時記をお持ちでいらっしゃいますか。そんなに大きいものでなくてもよいので、まだの方は一冊手もとに置かれることをお勧めいたします。俳句や川柳をやるやらないは別として、日本の季節を知り季節感を楽しむ上で、とても役に立ちます。

 もちろん、川柳は季語を絶対の要件とはしていません。同時に、季語をつかってはいけないということにもなっていません。白状いたしますと、実は私、川柳ができなくなったときは、この「歳時記」のご厄介になり、季語で川柳を作って乗り切ることにしているのです。俳句を、ではなくて、季語をつかって川柳を仕立てるのです。「俳句に無季俳句がある。川柳に有季川柳があってもいいのではないか」と言われたのは鷹羽狩行先生です。

 俳句は自然を詠み、川柳は人間を詠う文芸とする定義の基本のところは変わっていないとはいうものの、伝統俳句の稲畑汀子先生のようなお方からも、「俳句はもっと人の情を詠みなさい」といった発言が聞かれるようになりました。そういうご時世ですから、本来人間を詠むべき川柳は、よほどフンドシをしめ直して「人間」に徹しなければならないと考えます。

 今回の「秋」の作品には、季節を詠うあまりに、人間が全く不在の句が散見されました。有季川柳とは言っても、自然・花鳥風月を単に客観的に、従来の俳句タッチで五七五にするだけでは川柳作品とは言えないことを肝に銘じておかなくてはなりません。

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