縁日で見つけた小さな松がきっかけ「100年盆栽ライフ」奥深い芸術を始めよう【60代シニア】

心に残っている幼い頃の記憶を辿ると、置き去りにしていたかもしれない純粋な興味に出会えるかもしれません。100年近くになる盆栽歴を持つ有田匡男さんが盆栽を始めたのは、幼い頃に縁日で見つけた小さな松だったそうです。

YOURSTOCK（ユアストック）

日本の文化「盆栽」が作る世界とは？

“生きるアート”として世界中から注目を集めている「盆栽」。
盆栽と聞くとおじいちゃんが松の木を大事にしている様子を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
庭に飛んで行ってしまった草野球のボールが盆栽の鉢を割ってしまい、おじいちゃんに大目玉を食らう、というストーリーはアニメでもよく見かけるシーンの一つですね。

100年近くになる盆栽歴を持つ有田匡男さんが盆栽を始めたのは、幼い頃に縁日で見つけた小さな松だったそうです。

縁日で盆栽に見入っていたところ、見知らぬ男性が「坊主、盆栽好きか？」と小さな松を買ってくれた。

衰えぬ向上心　103歳男性、神戸の盆栽展に出品 ー 2017/11/11[神戸新聞NEXT]より

実は、盆栽は好き勝手に植えるのではなく、その管理は大変なものですしルールもあります。
盆栽に使われる植物も、松を思い浮かべる方が多いと思いますが実は多種多様なのです。カエデのように紅葉や四季の移り変わりを味わえるものや果実として実をつけるものもあります。
そして、盆栽を管理すると一口で言っても、表現方法もさまざまですし、植物の方向にもルールがあります。
温度管理にも気を配らなければなりません。

盆栽の楽しみ方を知る

まず、60代以降のシニア世代が盆栽を趣味として始めるなら、基本「樹形」を覚えるところから始めましょう。
幹が天に向かって真っすぐに伸びるのを「直幹（チョクカン）」といい、一方に傾いているのを「斜幹」、太い幹が曲線を描いている「模様木」、根本が分かれている「双幹、三幹」などです。その表現と与えられた意図を学ぶことがまず必要です。

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盆栽初心者が持っておいたほうが良いのは、盆栽鋏、ヘラ付きピンセット、肥料、消毒、傷口保護材の5点です。
鋏は枝や葉を整えるのに使い、ピンセットは枝葉を整理したり、草を抜いたりするときに使います。
これらは盆栽専門のものを使うことで植物に傷をつけることもありません。
また、盆栽は何もしないと病気になりますので必要に応じて肥料をやったり、消毒をしたりします。
枝の選定後の切り口などから雨水が侵入したり栄養がなくなったり乾燥したりすることを防ぐため傷口保護材も使うとよいでしょう。

「はじめての盆栽 つくり方&育て方」山田 香織 (著)
初心者ガイド 盆栽の育て方と手入れ 大宮盆栽公式通信販売ストア

盆栽のいろはが学べる１日体験教室

盆栽は水やりや置き場所などはじめの一歩から覚え、育て方から基本管理までをしっかりと考え、丁寧に育てることが大切です。でも、本やウェブサイトからの情報だけでは、いまいち何から始めたらよいのかわからないかもしれません。
最近では1日体験教室など、盆栽との暮らしを基礎から学ぶことができる盆栽教室も人気のようです。

盆栽清香園
170年もの歴史を持つ老舗で学べる盆栽教室。都心部３カ所で１日体験教室

剪定や芽切りなどその都度季節によって必要な手入れをしてゆきましょう。そうすると長生きするものは何年も美しさを見せてくれるでしょう。
知れば知るほど奥深い愉しみが広がる盆栽。60代・70代のシニア世代ではじめる趣味が日本の文化や美をより深く楽しむ入り口となるかもしれません。

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