ストレスが軽減できるといわれる「GABA」とは一体どのようなもの?気になる「GABA」の正体や効果などをご紹介
チョコレートに配合されたり、ドリンクタイプだったりと、「GABA」が配合された商品が多数販売されています。
「GABA」というチョコレートが販売されていることから、チョコレートをイメージされる方も多いでしょう。
「GABA」は天然アミノ酸のひとつで自律神経のバランスを整え、リラックス効果があるとされており、ストレス低減などに効果があるそう。
また、このほか安眠や血圧低下にも役立つことが確認されています。
何かとストレスにさらされがちな現代において、必要な成分「GABA」について今回はご紹介いたします。
「GABA」の正体はアミノ酸。どのような成分なの?アルコールはGABAに影響する?

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まずはGABAについて詳しく見ていきましょう。
GABAは「ギャバ」と読み、正式名称は「γ-アミノ酪酸」(がんまあみのらくさん)と言います。
英語ではGamma Amino Butyric Acidと表記し、英語の頭文字をとって「GABA」と表記されるのが一般的です。
GABAは人間の体内や動植物などに広く存在する天然アミノ酸のひとつ。
アミノ酸はタンパク質を構成するモノがメジャーですが、GABAは主に脳や脊髄で「抑制性の神経伝達物質」として働いています。
簡単に言うと、興奮を静めたり、リラックスをもたらしたりする役割なのです。
そのため、トップアスリートなどはストレス対策にGABAを用いていたりしています。
GABAが近年、広く一般市民にも注目を集めるようになったのは、GABA含有食品が多く登場したことから。
チョコレートやお菓子など手軽にGABAを摂取できるものが登場したことから、特に注目され始めました。
GABAを日常的に摂取することでストレスの軽減に役立つと言われており、ストレスフルな現代社会において非常に重要なアミノ酸といえるでしょう。
GABAの働きとは
ではGABAは体内でどのような働きをするのでしょうか?
上でも少し触れていますが「抗ストレス作用」が中心です。
GABAは脳内に存在する抑制系の神経伝達物質として、ストレスを軽減し、興奮した神経を落ち着かせる働きをしています。
ドーパミンなどはGABAとは反対に興奮させる神経伝達物質ですよね。
GABAはドーパミンなどの興奮系神経伝達物質の過剰分泌を抑制し、リラックス状態をもたらしてくれるのです。
現代人は特にGABAが不足しているといわれています。
ストレスがとても多いのにもかかわらず、GABAの摂取量が不足しているというのです。
特に高齢になると体内のGABAの量が少なくなる傾向にあるので、意識してGABAを摂取することが重要。
GABAが不足すると興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を止められず、常に精神的な緊張状態が続くことにもなります。
1回30ミリグラム以上、可能なら50から100ミリグラムのGABAを食品やサプリなどから摂取することで、ストレス軽減効果が期待できます。
ぜひ意識的にGABAを摂取してみてくださいね。
GABAとアルコールの相性とは
脳内の大部分の神経細胞の表面には「GABAが作用する部位(GABA-A受容体)」が存在します。
GABAが受容体と結合することで、神経細胞の活動を抑え込め、結果として眠気を生じさせます。
アルコールは胃腸から吸収され、血流に乗って脳に到達し、GABA-A受容体と結合し、催眠効果を発揮してくれます。
こうしてみてみると、アルコールとGABAは近しい効果があるように感じられます。
しかし、睡眠の後半。
アルコールの血中濃度が急激に低下する「リバウンド」が起こり、早期覚醒をしてしまうことも少なくありません。
実際にアルコールを摂取して寝た場合、早期覚醒などを実感される方も多いのではないでしょうか?
寝酒などはほどよい眠気を誘発してくれますが、早期覚醒を引き起こすことも多いので、眠る目的でアルコールを摂取しているという方はGABAに置き換えてみてはいかがでしょうか?
安眠効果が確認されている「GABA」は、ほかにどのような効果があるの?

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ではリラックス効果があり、安眠できるといわれるGABAにはほかにどのような効果があるのでしょうか?
まずは集中力が回復する効果があります。
GABAストレス研究センターの横越代表は、GABAの効果を検証しました。
1日の疲労が溜まりやすい夕方にGABAの入ったチョコレートを食べることでどのような効果があるのかを調査したのです。
ビジネスマン14人に簡単な足し算をしてもらい、「水を飲んでもらう」「GABAの入っているチョコレートを食べてもらう」「GABAの入っていないチョコレートを食べてもらう」という3パターンの調査を実施しました。
この町は3日間に分けて行い、調査の最後に唾液を採取しています。
ストレス状態にあるとき、人間の唾液には免疫成分である免疫グロブリンIgAの濃度が低下します。
一方で精神的なストレスによって唾液中に放出されるクロモグラニンAが増えるという特徴があります。
調査を行ったところ、「GABAが含まれたチョコレートを食べた場合、集中力が向上する」ということを確認できたそう。
実際に足し算の正解率もGABAの入っているチョコレートを食べた方が高かったそう。
このことから横越代表は「GABAを摂取することで、夕方からの仕事の効率をアップできるのではないか」と分析しています。
もちろん、GABAを摂取したからといってストレスがなくなるわけではありません。
しかし、ストレスは時間をかけて、コツコツため込んでしまうモノ。
身体をリラックス状態に早く導けるGABAを摂取することで、精神的にも優しい生活が送れそうですね。
GABAが入った食品・お菓子・飴・飲料とは。アレルギー物質配合のモノもあるので注意

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では最後にGABAはどのような食品に含まれているのかをご紹介します。
グリコ GABA(ミルク/ビター)
まずはGABAを広く浸透させた機能性表示食品「グリコ GABA」です。
コンビニなどでも手軽に購入でき、100グラムあたり、280ミリグラムのGABAを含有。
商品1袋あたり、118ミリグラムのGABAを含有しているので、最適なGABAの量だといえます。
また、チョコレートなので手軽に摂取しやすく、スタンドパウチ型なのでデスクにも置いておきやすい形が特徴です。
内容量は42グラムで、価格は130円前後。
コンビニ、スーパーなどでも多く販売されているので、見かけた際はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
GABAライス
鳥取県で多く生産しているのが「GABAライス」です。
鳥取県のブランド品種「きぬむすめ」を使用し、もみに水と熱を加えます。
すると肺が部分に少しずつGABAが生成されるので、乾燥させて胚乳へ移動させることで、通常の白米の5倍から10倍ものGABAが生成されるそう。
日々の食品でGABAを補えるのはとても嬉しいポイント。
こちらはインターネットなどで購入可能で、1キロ620円から820円ほど。
通常のお米と比較するとやや高めですが、お米としては日本発の機能性表示食品なので妥当といえるでしょう。
実際に血圧が高めの人に適した機能があることが報告されているそうです。
血圧が気になる方、毎日の食事でGABAを摂取したい方はぜひ「GABAライス」を検討してみてはいかがでしょうか?
GABAを意識的に摂取することで、ストレスを低減させることが可能です。
ぜひGABAを意識した生活を送ってみましょう。
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