【お金をかけずに加湿】冬の「乾燥」は体への悪影響?乾燥を回避するために有効な方法とは?
冬は空気が乾燥するもの。
寒い屋外に出ると、肌や唇がカサカサになったり、粉を吹いたり、喉がイガイガと痛くなったりしますよね。
なぜ冬は空気が乾燥してしまうのでしょうか?
冬は乾燥するから仕方ないと放置すると身体に不具合が出てしまうかもしれません。
本日は「乾燥」についてご紹介します。
冬は何故乾燥するの?

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冬が乾燥する理由は大きく分けてふたつあります。
実は冬の乾燥は日本海側と太平洋側で大きな違いがあるのです。
冬になると基本的には西高東低の気圧配置になることをご存じの方は多いかと思います。
日本から見ると、大陸側に高気圧があり、太平洋側に低気圧がある、いわゆる冬型の気圧配置のことですね。
空気は基本的に気圧の高いところから低いところに流れる性質があるので、大陸の冷えた空気が日本に向かって流れてきます。
シベリアから流れてくる空気は太平洋側で水蒸気を蓄え、冷たく、湿っぽい空気になります。
まずは日本海側の地域が冷たく湿った空気に当たるため、日本海側では大雪が降る地域が多いわけです。
雪が降ると空気から水分が抜け、乾燥した空気に変化します。
乾燥した空気が山を越え、太平洋側にやってきます。
こうした理屈で考えると、冬の太平洋側は非常に乾燥した空気が常に吹き続ける、といえるでしょう。
湿度だけで比較すると、日本海側は太平洋側よりもずっと高いのです。
2019年の冬の湿度を見てみましょう。
2019年12月23日の新潟の湿度は1時81パーセント、2時89パーセント、3時91パーセントと非常に高い状態です。
14時にこの日最低の69パーセントとなりました。
一方で同日東京の湿度は、1時97パーセント、2時96パーセント、3時98パーセントとこちらも高い状態。
この日は雨が降っていたため湿度が高い状態でしたが、雨が降っていない14時には62パーセントまで湿度が下がりました。
一日だけの比較ではなく季節で見てみると、冬の東京の1998年から2016年までの冬の平均湿度は、東京が49.4パーセント。
もっとも湿度が高いのは福井県と山形県で80.2パーセントでした。
いずれも雪が多く降るエリアですよね。
湿度が低いのは東京、前橋、横浜、熊谷、千葉、甲府、静岡などいずれも太平洋側がランクイン。
一方で湿度が高い地域は鳥取、青森、富山、福井、山形と日本海に面する県がランクインしました。
(※いずれも都道府県庁所在における1998年から2016年までの冬の平均湿度)
このように冬の日本海側は湿度が高く、太平洋側が湿度が低いことがわかりますよね。
寒い日本海側も乾燥しがち
一方で日本海側も冬は乾燥するもの。
その理由は暖房で部屋を暖めることにあります。
空気中に含むことができる水蒸気量(飽和水蒸気量)は温度によって変わります。
温度が高ければ高いほど、多くの水分を含むことができます。
しかし、温度が低いと少しの水分しか含めません。
暖房をつかうと、温度が低い状態から高い状態に変化します。
しかし、元々の空気に含まれている水分量が少ないため、温度が上昇すると相対的に湿度が低下してしまうのです。
相対的に湿度が低下すると「乾燥している」と感じてしまいます。
みなさんはどのエリアにお住まいですか?
それぞれの原因によって対処法は異なります。
乾燥対策についてはこの記事の最下部でご紹介するので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
かゆみや皮膚炎、アトピー、アレルギーなど乾燥がもたらす体や体への影響とは?

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では湿度が低い、乾燥状態になってしまうと身体にはどのような影響があるのでしょうか?
人に与える影響の代表といえばインフルエンザや風邪を引きやすくなることでしょう。
空気が乾燥すると口や鼻の粘膜が乾燥し、風邪などの感染に対するバリア機能が低下するため、インフルエンザや風邪などに罹患する確率が高くなってしまいます。
冬場にインフルエンザが流行する理由のひとつは乾燥にあるのです。
もちろん、インフルエンザウイルスが増殖している時期というのはありますが、空気が乾燥することで人の防御力が低下することも原因なのです。
さらに空気が乾燥すると、身体から発散する水分量が増えてしまうので、暖房をつけていても体感温度は低くなります。
なかなかあたたかさを感じにくい理由はこんなところにもあるのです。
美容面では湿度不足になると、髪や肌が乾燥してしまいます。
健康的な髪の水分量は11パーセントから13パーセント。
しかし、空気が乾燥すると表面積が大きい髪の毛はすぐに水分を発散してしまうため、乾燥してパサつき、広がりやすくなります。
冬場なんとなく髪がパサつくと感じる方は乾燥が原因でしょう。
肌については水分量が10パーセント以下になると乾燥肌状態。
乾燥肌状態になると、肌荒れやかゆみ、皮膚炎などの原因になるので、男性であっても化粧水などを風呂上がりに使いましょう。
補足
化粧水を使うタイミングは洗顔後、すぐがおすすめ。
水分を拭い、顔が乾燥する前には使用しましょう。
湿度は何パーセント?
こうした状況を避けるためには適正湿度に室内を保つ必要があります。
一般的に40パーセントから60パーセントが適正湿度といわれているので、この範囲になるよう、湿度をコントロールしましょう。
最近では空気清浄機に加湿機能がついているものもあるので、ぜひご活用を。
湿度が40パーセントを切ると、静電気が発生しやすくなり、特に髪の毛は切れ毛や枝毛を引き起こし、頭皮が汚れやすくなってしまいます。
もちろん、低湿度状態では風邪も引きやすくなってしまうので、ぜひ加湿器を活用しましょう。
冬の乾燥対策方法は?

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加湿器を利用する際は加湿器の種類にもご注目を。
加湿器にはスチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式の4種類があります。
スチーム式は加湿器に内蔵されているヒーターで水を加熱し、水蒸気を発生させる加湿器。
気化式は水分を含ませたフィルターに風をあてて、水分を気化させるタイプ。
超音波式は細かな振動を与えることで、水の粒子を小さくし、霧のように噴出する加湿器。空気清浄機についている加湿機能は超音波式であることが多いです。
ハイブリッド式は気化式とヒーターを組み合わせたものと、超音波式とヒーターを組み合わせたものがあります。
スチーム式は水をしっかりと加熱して水蒸気を発生させるので、短時間で広範囲を一気に加湿できるのが特徴。
さらに加熱するため雑菌が繁殖しにくく、常に清潔な状態を保ちやすいという特徴があります。
現在加湿器が家にない、という方はスチーム式がオススメです。
ただしスチーム式の加湿器はほかの種類と比較すると電気代が高いのがデメリット。
1日8時間使用したとすると、月1500円程度の電気代がかかるといわれています。
気化式や超音波式が150円から250円程度といわれているので、かなり高いですよね。
次にご紹介する方法と組み合わせて使用するのがおすすめです。
お金をかけずに加湿する
お金をかけずに加湿する方法としては、タオルや洗濯物を室内に干したり、水を入れたコップを部屋に置いたり、霧吹きで水をまいたり、床を水拭きしたりといった方法があります。
雪国で石油ストーブを利用している家庭の場合、石油ストーブ自体に加湿効果があるので、冬場はフル活用しましょう。
また、石油ストーブの上にやかんなどを置けるのなら、常にやかんに水を入れて置いておくのも効果的でしょう。
お金をかけずとも加湿は可能です。
ただし、いずれの方法も局所的な加湿方法。
加湿器と併用し、湿度を上げるのがもっとも効果的です。
ぜひ加湿器とタオルを干すなど組み合わせて利用しましょう。
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