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スクショも違法?改正された著作権法で抑えておきたいポイントとは

2018年5月18日に「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、2018年5月25日に平成30年法律第30号として公布。
この法律は今年、2019年1月1日から施行されています。

インターネット上は、ついにスクリーンショットも違法になったか!? とざわついた今回の「著作権法の一部を改正する法律」。
一体どこが変更になったのでしょうか?

詳しく見ていきましょう。

どこが変わった?改正著作権法

文化庁が提出した「著作権法の一部を改正する法律」とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

2019年1月1日から施行された改正著作権法では「デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した権利制限規定の整備」が盛り込まれており、著作物の軽微な利用であれば認められるなど、時代に沿った形となりました。

改正の概要は大きく分けて4点。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備(第30条の4、第47条の4、第47条の5など)

著作物の市場に悪影響を及ぼさないビッグデータを活用したサービスなどのために著作物を利用する場合、許諾を得ずに行うことができるようになりました。

ビッグデータとは「さまざまな形をした、さまざまな性格を持った、さまざまな種類のデータのこと」。
マーケティングなどの際に利用されることの多いデータです。
データ、と一口に言っても、性別といった情報や職業、趣味・趣向などさまざまなものがありますよね。
すべて同じ書式でデータが揃っていればいいのですが、インターネット上にあるデータはさまざまな形をしています。
また、行われたアンケートによってはさまざまな種類もあるのです。
こうしたデータは日々膨大に生成・記録されているため、時系列にまとめたり、リアルタイムで追いかけたりすることは従来難しいものでした。
しかし、ビッグデータを活用することで、これまで見過ごしてきたようなデータから新たな発見をしたり、新たな仕組みを発見したりすることが可能になるかもしれない、ということで、今注目されているのです。

イノベーションの創出を促進するために、情報通信技術の進展に伴い、将来新たな著作物の利用法が生まれた場合にも絨毯に対応できるよう、ある程度抽象的に定めた規定が整備されました。

これらが改正されたことで、以下のようなものが許諾なく行えるようになります。

  • 所在検索サービス(書籍の検索など)
    著作物の所在を検索し、その結果とともに著作物の一部分を表示する
  • 情報解析サービス(論文など)
    あらかじめ大量のデータ(論文など)を収集しておき、盗作がないかをチェックしたり、盗作部分を表示したりする

従来、これらのサービスは著作権法によって行えませんでした。
しかし、改正されたことで、より便利なサービスが展開されることが予想されます。

2.教育の情報化に対応した権利制限規定などの整備(第35条など)

授業で新聞を用いたり、音楽を使用したり、書籍の一部をコピーするなど教育の現場では、以前より著作権法によってこれらの行為が認められていました。
しかし、ネットワークを介し、生徒のタブレットなどに著作物を送る際は利用の都度、個々の権利者の許諾とライセンス料の支払いが必須でした。

今回の改正ではより教育の質を向上させるため、学校の授業や予習・復習用に教師が他人の著作物を用いて作成した教材を、ネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為などを行えるように。
もちろん、これでは権利者が損をしてしまうので、許諾は不要で補償金を支払う必要はある点には注意が必要です。

3.障がい者の情報アクセス機会充実(第37条関係)

マラケシュ条約(視覚障害者や判読に障害のあるものの著作物の利用機会を促進するための条約)の締結に向けて、視覚障害者が対象となっている規定を見直し、肢体不自由の方向けに録音図書を作成する際は許諾なく行えるように。

現在は視覚障害者や発達障害などで著作物を視覚的に認識できない人が対象でしたが、改正されたことで、肢体不自由などを含め、障害によって書籍を読むことが困難な人が対象となりました。

4.アーカイブ利活用促進(第31条、第47条、第67条など)

美術館などの展示作品の解説・紹介用資料をデジタル方式で作成可能に。
これによって冊子ではなく、タブレットなどで閲覧することができるようになります。

また、国及び地方公共団体などが裁定制度(著作権者不明などの場合、文化庁長官の裁定を受け、補償金を供託することで著作物を利用できる制度)を利用する際、補償金の供託が不要に。
これまでは補償金が必要でしたが、今後は著作者が現れた場合、支払えばよくなります。

また、国会図書館に寄る外国図書館への絶版資料の送付を許諾なく行えるようになりました。

著作権制度について

著作権は他人の著作物(小説、論文、新聞、写真、美術、音楽、映画、コンピュータプログラムなど)を利用する場合、著作権者の許諾が必要。

著作権の例外は法律で定める一定の場合(引用、報道のための利用、学校の授業でのコピーなど)は著作者の権利が制限され、許諾を得なくても自由に利用することが可能。

 

 



 

スクリーンショットも違法?新・著作権法のポイント

スクリーンショットも違法?新・著作権法のポイント

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

インターネット上で大きな話題となった「スクリーンショット」も違法に当たる、という話題。

その根拠となったのは2019年2月13日付けの朝日新聞で、違法アップロードされたことを知りながら、インターネット上にあるコンテンツをダウンロードする行為について、その範囲を漫画や論文などへ広げる方針が文化庁の審議会で了承されたと報じられたことです。

海賊版サイト対策としての側面が強い改正案では、「スクリーンショット」(パソコンやスマートフォンの画面を保存すること)を禁止しています。

スクリーンショットは静止画を簡単に複製することができるため、違法の対象になっているのです。
ちなみに静止画とは「無断投稿された漫画」「写真」「小説」「雑誌」「論文」などが該当。
インターネット上では「スクリーンショット違法化」だけが独り歩きし、「スクリーンショットのすべてが禁止される」と勘違いしている人も多く見られましたが、実際にはこれらの著作物のスクリーンショットが禁止しよう、というのが2月提出の改正案でした。

しかし3月13日、政府はインターネット上の違法ダウンロード規制を協会する著作権法改正案を断念。
昨年話題となった「漫画村」などの海賊版サイト対策として、すべて著作物を対象に無断で掲載されたと知りつつダウンロードする行為を違法とする内容でした。
しかし、「表現の萎縮を招く」といった懸念事項から、断念することとなったのです。



 

他人の画像を勝手にアップロードするのはもちろんNG

他人の画像を勝手にアップロードするのはもちろんNG

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

企業が公式で掲載しているホームページ、画像、ネット上で掲載されている他人が投稿した画像の個人利用においてはスクリーンショットなど保存は問題ありません。

アンケート調査によると、50代男性はとくに違法動画が好きという結果も出ています。

違法動画を見たことがある割合が最も高かったのは50代男性で38.4%。
4割近くの人が経験しているのです。

男性の場合、ほかの世代は30%前後という結果だっただけに、50代男性の数字が目立つ結果となりました。
女性は20代が17.6%が最も高く、年齢が上がるごとに割合が下がっていく相関が見られる結果に。

TwitterなどのSNSではイラストや文章などをスクリーンショットし、アップロードするという手法が度々用いられています。
しかし、現在の改正案ではこれらもNGとなる予定でした。
実際に線引がはっきりとしたわけではないので、今後も著作権法についてしっかりと置い続ける必要がありそうです。

先程もご紹介しましたが、以下のものは違法アップロードにはなりません。

  • 企業が公式で掲載しているホームページ
  • 企業が公式で掲載している画像
  • ネット上に掲載されている他人が投稿した画像のスクリーンショット

これらは個人利用の範囲において問題はありません。

ただし、自分が時間をかけて丁寧に撮影した写真を無断で盗んでいくような行為は気分が悪いものです。
SNSなどではその写真を使用したい場合は必ず「本人への許可取り」を行いましょう。
許可なく掲載・撮影した画像は著作物や肖像権を侵害してしまい、10万円~20万円の損害賠償となるケースもあります。



現在のこのサイト、Slownet(スローネット)もtwitterと同様にSNSです。
ブログやプロフィール写真は自分で作成や撮影するなどしたオリジナルなものでなければなりません。
勝手にどこかから引っ張ってきた画像を利用している場合は注意が必要です。
法律に則って、マナーを守ったSNS利用が合法利用のポイントと言えるでしょう。

コメント
  1. 内容に間違いがありますよ。
    冒頭にある2019年1月1日施行の改正は、データ解析や教育などの権利者の損害が軽微な場合や公益性が高い場合において、著作物の利用を柔軟に行えるようにするためのものです。
    静止画ダウンロードの違法化は案が出されただけで、その後、成立することなく見送りとなりました。

  2. 通りすがり様

    コメントいただき、誠にありがとうございます。Slownetサポートセンターです。
    このたびは誤った情報を掲載いたしましたこと、お詫びいたします。
    ご指摘いただいた内容を踏まえ記事内容を見直し、追記修正を行わせて頂きました。
    今後、情報の確実性について細心の注意を払い、再発防止に努めてまいります。

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