【けんこう歳時記】伍代夏子さん小室哲哉さんも克服した「21世紀の国民病」

感染気づかず広げているかも

「C型肝炎は治せる病気です」――厚生労働省が運営するウェブサイト「知って、肝炎」の動画でそう呼びかけるのは、歌手の伍代夏子さん。33歳のときC型肝炎と診断された伍代さんは、治療を経て病気を克服し、現在は夫で俳優の杉良太郎さんや、同じくC型肝炎を克服したミュージシャン、小室哲哉さんらとともに、厚労省の肝炎対策特別大使として活動しています。
7月28日は、世界保健機構が定めた「世界肝炎デー」です。ウイルス性の肝炎は世界的に蔓延しており、日本の感染者数はB型肝炎が110万～125万人、C型肝炎が100万～150万人と推計され、「21世紀の国民病」と言われています。

国が伍代さんらをはじめ、堀内孝雄さんやEXILE、AKB48など幅広い世代の人気タレントをスペシャルサポーターに起用し、啓発活動を推進する背景には、肝炎治療を受けている人は50万人に過ぎず、感染していることに気づいていない人も多いという深刻な状況があります。

C型の9割は完治

肝炎とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊される病気で、進行すると肝硬変や肝がんを引き起こします。原因はウイルス感染が多く、AからEまで5つある型のうち、日本で問題とされているのはB型とC型で、肝がんの原因の9割は、これら2つの肝炎ウイルスによるものであることがわかっています。
B型、C型肝炎は、血液や体液を介して感染します。成人になってB型肝炎に感染した場合、多くは一過性で終息しますが、まれに劇症肝炎になることがあります。乳幼児期に感染すると持続感染者となり、うち1割は肝炎を発症します。また、C型肝炎は慢性化しやすく、感染者の7割が慢性肝炎を発症します。

いずれも治療によって症状の進行を抑えたり、治癒する可能性もあります。とくにC型肝炎の治療は進歩し、今では9割が完治すると言われています。

感染しているかどうかは、血液検査で簡単に調べることができます。まだ受けたことがない人は、一度検査してみることをお勧めします。

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