お酒を飲むと人が変わる？　周りから見るとほとんど変わっていない

5つの要素から性格を評価

お酒を飲むと人が変わるとよく言われますが、実は科学的に「飲酒によって性格が変わるか」は確認されていませんでした。

そこで、米国のミズーリ大学の研究者らは156名の健康な男女を対象に、実際に飲酒をしてもらう調査を行いました。

まず、人の性格を「情緒不安定」「外向性」「知性」「調和性」「勤勉性」の5つの要素から評価する「性格の5因子モデル」のテストを受けてもらい、参加者の自己申告による性格を把握。その後、3～4人の友人と集まってもらい、15分間、自由にアルコールの入ったカクテルを飲んでもらいました。

その後、酔いが回るように15分間待って、性格診断用のパズルやゲームなどをしてもらい、再度「性格の5因子モデル」テストを実施。さらに、その様子を撮影したビデオを部外者に見せ、部外者による参加者の性格の評価も行っています。

本人は変わったと思っているが…

その結果、飲酒をした参加者は飲酒前と飲酒後では、「性格の5因子モデル」の5要素すべてが変化したと回答していました。

しかし、部外者による分析では5要素はほとんど変化しておらず、外部に対する対応の仕方を示す「外向性」にのみわずかな変化があると報告されていました。

一般的に性格診断は自己申告よりも部外者による観察が客観的で正確とされているため、今回の実験結果を踏まえると、お酒を飲んだ人は自分の性格が変わったと感じていても、実際に周囲から見るとほとんど変化していないことになります。

「お酒の席では普段の自分と違うから、ちょっと羽目を外しても」と思っている人は、周りからはいつも通りに思われている、と注意をしたほうがいいかもしれません。

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