缶ビール1日1本でも「脳の健康」に悪い影響　英オックスフォード大、30年の追跡結果を発表

脳の健康に飲酒が与える影響は

飲酒は「脳の健康」にどんな影響があるのか。英オックスフォード大学の研究者らの調査がまとまりました。

研究は1985年から30年間生活習慣を追跡調査し、毎日のアルコール摂取量が詳細にわかっている男女550人（平均年齢43歳）を対象に脳のMRI検査を行い、1週間のアルコール摂取量と脳の健康状態の分析を行っています。

脳の健康状態は記憶を司る「海馬」の面積や神経細胞が存在する「灰白質」の密度など脳の構造や、追跡調査期間中に実施した認知機能テストの結果などから判断しています。

適量でも海馬が委縮

結果は言うまでもなく、アルコールの摂取量が多い人ほど海馬の委縮が進んでおり、一週間に缶ビールに換算して20本以上消費するような過剰摂取が見られる人は、まったく飲まない人と比べると、海馬の委縮が5倍以上進んでいました。

また量が増えるほど左右の大脳をつなぐ「脳梁」という部位に異常が増え、言語力の低下も確認されています。

また、1日に1本缶ビールを飲むような英国や米国基準では「適量」とされている人でも、まったく飲まない人の約3倍海馬が萎縮していることが確認されています。

1週間に缶ビール1～3本程度の人ではまったく飲まない人と海馬の委縮状況に大きな差はないものの、特別に健康というわけでもなく研究者らは「少量の飲酒で脳の保護効果などはない」とコメントしています。

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