クロスワードで認知機能が改善される？　国際アルツハイマー会議で最新調査が発表

「脳トレ」のエビデンスはない

認知症の予防などで、クロスワードのような「脳トレ」が効果があるのか。

2017年7月17日にロンドンで開催された最新の国際アルツハイマー会議（AAIC）で「クロスワードパズルをよく解く人ほど脳の認知力テストの成績がよい」とする最新の調査結果が発表されました。

調査は認知症を発症していない健康な50～96歳の男女約1万7000人を対象に、「記憶力（短期・長期）」「集中力」「推論力」「注意力」など9つの項目を確認する認知機能テストをオンラインで実施。

その後、クロスワードパズルの実施頻度をアンケート調査しました。クロスワードパズルは特殊なものではなく、文章をヒントにしつつ縦と横に交差したマスに言葉を当てはめ、すべての白マスを埋める一般的なものです。

調査の結果、クロスワードパズルを頻繁に解いている人ほど認知機能テストの点数が高く、特に「短期の記憶力の正確さ」と「文法的な推論の早さ」はクロスワードパズルを解いていない人と、ほぼ毎日解いている人の点数を比較すると、その点差は年齢に換算して平均で約10歳にも達していました。

最大で10歳もの差がついていた

調査を行った研究者らはこれほどの規模で顕著な差が確認できたのは初めてとしつつ、現状の結果では傾向しか確認できておらず、例えば認知機能が高い人はクロスワードパズルをよくやる、といった逆の関係にある可能性もあると指摘。

今後は本当にクロスワードパズルをすることで認知機能が改善されたり、低下が予防されるのか、臨床試験を行い調査するとしています。

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