花粉症対策の必需品「マスク」 本当に正しく装着できている?
「花粉が本格的に飛散し始めた……」「風邪が流行し始めた……」
理由はさまざまですが、今日本ではマスクを装着している人、すごく多いですよね。
あまりの多さに海外から来た旅行者は驚くんだとか。
なんでも海外では感染症など特に重症の患者が装着するものらしく、日本では多くの人が装着しているので、その異様な光景に驚くそうです。
とはいえ、春や秋には花粉、冬にはインフルエンザなど季節によってマスクを装着したほうがいい場面ってすごく多いですよね。
なんとなくいつもどおりに装着してしまうマスクですが、実は正しい装着方法があるのです。

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
7割の人が間違った付け方
医薬品などの製造・販売を行うエーザイ株式会社が2012年に行った「マスクに関する意識・実態調査」によると、マスクを正しく使用できていない人は73%にものぼったそう。
感染症に対する予防意識が高い半面、多くの人はマスクを正しく使用できていない、ということがわかりました。
エーザイ株式会社薬粧事業部は、感染症などの対策のためにマスクを日常的に使用している全国の12歳以上の男女310人を対象に、マスクに関する意識・実態調査を実施しました。
調査結果のポイントは以下の通り。
- マスクの使用と感染症予防への意識
感染症に対する予防意識が高い人は85% - マスクを正しく使用できているか?
73%の人がマスクを正しく使用していない - 同じマスクをどのくらい使っている?
1日1回の取替が最多
17%(6人に1人)の人が2日以上同じマスクを使用 - マスクの着脱回数と着脱時のマスクの扱い方
同じマスクを使用中にマスクの着脱回数は平均8.2回
このような結果になりました。
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
1.マスクの使用と感染症予防への意識
調査結果によると97.1%の人がマスクの着用は感染症予防の有効だと思っているそうです。
また、自分自身「感染症への予防意識が高いか?」という問いに対しては84.9%の人が「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答しています。
2.マスクを正しく使用できているか?
次の章でマスクの正しい着用方法についてはご紹介します。
正しい着用方法について尋ねたところ、普段から実践している人は26.8%となり、7割以上の人がマスクを正しく着用できていない、ということがわかりました。
マスクの誤った使い方としては「ウイルスが付着したマスクのフィルターを触ってしまっている人」が43%、「マスクを外した後、手洗いができていない人」が54%という結果に。
いずれも正しい使い方についての知識がなかったため、このような行動したということが調査からわかりました。
3.同じマスクをどのくらい使っている?
毎日取り替えるという人が69.4%と最多。
しかし、16.8%の人が2日以上使用するということがわかりました。
男女比で見てみると、男性は21.3%、女性は12.2%です。
また、50歳以上に限定してみると、50代以上男性の45.2%が2日以上取り替えていないという結果に。
男女ともに年齢が上がるとマスクの取替頻度が下がる傾向が見られます。
4.マスクの着脱回数と、着脱時のマスクの扱い方
平均着脱回数は8.2回。
マスクを外した後の取扱いは「半分に折って置く」「口側を上に置く」「ポケットやカバンに入れる」という結果に。
もう一度そのマスクを装着する時に何もせずにそのまま装着する人が91.9%もいる一方で、「消毒スプレーをかけてから装着する」という意識の高い人もいました。
マスクの装着方法1つ取ってみても、意識の差は大きいのだと考えさせられます。
ここからはマスクの正しい装着方法について、しっかりと見ていきましょう。
正しいマスクの着脱方法

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市販されているマスクは、写真のようなプリーツタイプが最も多いでしょう。
このプリーツタイプのマスク装着をしっかりと見ていきましょう。
1.手は清潔に
装着前もしっかりと手を洗い、清潔な状態でマスクを装着しましょう。
2.裏表をしっかりと確認
マスクの折り目があるものは「山」が下方向に向くように着用します。
マスクの折り目が上をむいてしまうと、隙間にほこりや花粉が溜まり、逆効果なんだとか。
3.上下もしっかり確認
多くのプリーツタイプのマスクには上下があります。
針金が入っている方が「鼻」側です。
気をつけたいのは上下だけではなく、手順2つ目の裏表もしっかりと確認を忘れずに。
4.いざ装着!
マスクを装着する際には、できるだけマスク本体には触れずに。
ゴム紐を左右に引っ張り、プリーツを上下に伸ばし、マスクを完全に広げてしまいます。
顔にあて、針金部分を鼻の形にぷたりと合わせ、顎まですっぽり隠れるよう顎方向に伸ばし、最後に耳に紐をかけます。
何気なく装着していたマスクは、これだけの手順を踏まなければ意味のないものになってしまうんですね。
最後にマスクのNG行動を確認しましょう。
マスクを付けたらやってはいけないNG行動

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気をつけてマスクを装着!
でもせっかく装着してもマスクの意味がない行動もあるんです。
ガーゼタイプのマスクは効果が薄い
マスクには
- 立体型(不織布・立体裁断。顔の周りにフィットしやすい)
- カップ型(不織布。鼻と口を覆うドーム型。密着度が高い)
- 平型(昔ながらのガーゼタイプ)
プリーツタイプの他に、これらの種類があります。
この中で選んではいけないのが平型。
昔ながらのガーゼタイプのマスクです。
平型はフィルターとしての機能が低く、感染症予防の効果は低めなのです。
その反面、喉の乾燥を防ぐには十分なマスクなので、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
顎にマスクをかける
息苦しかったり、なにか食べる時に顎にマスクをずらすことってありますよね。
でも、顎にかけてしまうと、顎に付着していた飛散物がマスクの内側についてしまい、予防効果が低くなる可能性があります。
マスクから鼻だけを出す
息苦しくて鼻だけをマスクから出す、という装着方法。
口周りは抑えていても、鼻からウイルスが侵入する恐れがあります。
プリーツタイプの針金部分をしっかりと曲げていない
鼻周りの隙間からウイルスが侵入する恐れがあります。
着用中にフィルターを触る
ついついマスクが気になってマスクを触ったりはしていませんか?
着用中にマスクを触ると、どんどんフィルター効果は薄くなってしまいます。
気になりますが、触らないようにしましょう。
マスク1つとっても、正しい装着をするために気をつけるポイントがあるのがわかりますね。
正しい装着方法を身に着け、花粉や感染症の対策をしましょう!
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医師によっては、ガーゼマスクはウイルスや細菌に対する遮断効果が無いから無駄だと言われますが、寒い時期の風邪予防、寒さ対策にはこれが一番です。人間の呼吸器はガス交換器ですが、一方で大変効率の高い熱交換器でもあります。どんなに冷たい空気を吸っても吐くときは湿って生暖かくなっています。呼吸器から湿気と熱を奪うからです。ガーゼタイプのマスクをすると、3,4回の呼吸の呼気によってマスクが湿って生暖かくなり、その後各呼気ごとにこの状態が保たれます。これを通った吸気には程よい湿気と熱が与えられ、喉を荒らさず、上気道から気管支に生えている繊毛の運動を阻害しません。この繊毛には粘液が供給され、侵入してきたウイルスや細菌、異物を排出するように常時運動しています。乾いた冷たい空気を吸い込むと喉が荒れ繊毛運動が阻害されて、ウイルスや細菌に感染し易くなります。ガーゼタイプのマスクはこれらを防いで風邪感染を予防し、温められた吸気のため体温を奪われることが少なく、昔からマスクをするとシャツ1枚減らせると言われてきた所以です。