いつまでも健康な脳を維持するために必要な「脳活栄養素」とは?
できるだけ長く健康な脳でアクティブに生きたい、と誰しも思うもの。
そのために人それぞれさまざまな健康法を実践していますよね。
1日20分程度のウォーキングや、食事は塩分を控え、なるべく野菜・魚を中心に摂取するなど、健康法はたくさんの種類があります。
今回おすすめしたいのは、脳活栄養素を摂取すること。
本日は「脳活栄養素」についてご紹介します。
認知症とは?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
認知症は脳の働きの低下が原因となり、さまざまな症状が引き起こされる病気のこと。
大きく分けて脳の働きの低下で起こる症状と、環境・体験・気質によって発現する症状があります。
年齢を重ねると誰しももの忘れが増えていくものです。
しかし、こうしたもの忘れと認知症は根本的な原因が異なります。
もの忘れの原因は脳の生理的な老化であるのに対し、認知症は脳の神経細胞が脱落したり変性したりすることで起こります。
また、もの忘れの仕方にも違いがあり、老化の場合一部分を忘れてしまいますが、認知症はまるごと記憶から抜け落ちてしまいます。
例えば昔旅行に行ったエピソードを話しているとき、細部は忘れてしまっていても会話を重ねると思い出したりしませんか?
これは老化によるもの忘れです。
認知症の場合は、旅行に行ったそのこと自体を忘れてしまう、という特徴があります。
症状の進行についても、老化によるもの忘れはあまり進行しません。
しかし、認知症はだんだんと日々進行していきます。
さらに判断力においても、老化の場合は大きく低下しませんが、認知症の場合大きく低下してしまいます。
そして自覚症状の有無も、認知症の場合は忘れたことの自覚がありません。
こうした症状があるため、認知症は日常生活にまで支障を来してしまう病気だといえるでしょう。
三大認知症
認知症にはさまざまな種類がありますが、大半を占めるのが3種類の認知症です。
認知症患者の約50パーセントは「アルツハイマー型認知症」。
次いで約20パーセントの人は「レビー小体型認知症」、約15パーセントの人が血管性認知症です。
このほかにもさまざまな認知症がありますが、これら3つの認知症で85パーセントを占めています。
各認知症の特徴は以下をご覧ください
認知症予防に効く食品とは?認知症の発症と進行を遅らせよう!
https://slownet.ne.jp/c/health/post-26294/
認知症の原因
認知症はさまざまな病気によって脳の働きが低下して起こる一連の症状を指す言葉です。
実は正式な病名ではありません。
認知症の原因となる病気としてもっともよく知られているのが「アルツハイマー病」でしょうか。
大脳の側頭葉にある海馬がだんだんと萎縮していく病気です。
最終的には大脳の機能が弱くなり、寝たきりになります。
このほかにも側頭葉、後頭葉の萎縮が起こる「レビー小体型認知症」、前頭葉・側頭葉が萎縮する「前頭側頭型認知症」、脳の血管が詰まったり、破れたりして起こる「血管性認知症」など、脳のどの部位が萎縮するかによって認知症の種類は異なります。
さまざまな病気を起因として認知症になる可能性が高く、例えば脳梗塞のあとは「血管性認知症」になったりすることもあります。
一概にこれを食べていれば認知症にならない! というものはなく、基本的には原因となる病気を予防するのが一番だといえるでしょう。
アルツハイマー病を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?
脳活栄養素とは?記憶力、計算能力など高齢者の脳を健康にする食事や食べ物とは

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現在日本では65歳以上の4人に1人が認知症またはその予備軍だといわれています。
なんと8割が女性なのだそうです。
最新の研究では、発症の20年くらい前からの生活習慣が非常に重要だといわれています。
そのなかでも食生活が特に重要なのだとか。
脳を元気にしてくれる栄養素や脳活食材はどのようなものがあるのでしょうか?
ポリフェノール
抗がん作用もあるポリフェノールは認知症予防にも有効です。
ポリフェノールは植物に含まれる苦み・色素の成分。
抗酸化作用、抗炎症作用を持っており、アミロイドβやτタンパク質など、認知症の原因となる老廃物を減らす働きがあります。
ビタミンC
身体が酸化する原因となる活性酸素から細胞を守る働きがあるのがビタミンCです。
ビタミンCは水溶性ビタミンで、熱に非常に弱いのが特徴。
そのため、生の食品からの摂取か流出してしまったビタミンごと摂取できるような調理方法が勧められています。
ビタミンCはストレスを受けたとき、タバコを吸ったとき、アルコールを飲んだときなどに消費されるので、赤ピーマン、パセリ、柑橘類、いちご、キウイなどを日常的に摂取するよう心がけましょう。
ビタミンE
こちらも細胞を活性酸素から守ってくれます。
一度でも活性酸素を取り払い、役目を終えたビタミンEはビタミンCによってリサイクルされて、再び抗酸化作用を持つ、という働きがあるため、ビタミンCとのセットで摂取しましょう。
アーモンド、大豆、アボカド、たらこ、青魚などに多く含まれているので、意識的に摂取したいところです。
ビタミンD
このほか、ビタミンDの摂取も有効。
近年の研究では認知機能の低下はビタミンDの欠乏と関連していることが報告されています。
ビタミンDを摂取することで免疫力が向上したり、アレルギー症状が改善したり、うつや不安を抑制する、といった効果が期待できます。
紫外線を浴びることで生成されるので、室内に閉じこもりがちな人は不足している栄養素でしょう。
魚、卵、きのこ類などに多く含まれているので、ぜひこちらも意識的に摂取を。
東京大学
日本人の軽度認知障害からアルツハイマー型認知症への移行に血清カルシウム低値が関連することを同定
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2019/07/03/release_20190225.pdf
脳活栄養素を摂る同時に運動をするとより良い!

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食べるだけで認知症予防、とはいかないようです。
定期的な運動習慣を持つことは認知症予防において非常に重要といえます。
高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病といったいわゆる「メタボ」は、脳血管性認知症のリスクを高めるのはもちろん、アルツハイマー型認知症の危険因子にもなりうると考えられはじめています。
65歳以上のアメリカ一般住民1,138人を対象にした研究では、高血圧、糖尿病、心疾患、喫煙の4つの危険因子の有無とアルツハイマー型認知症の発症との関連性を調べました。
その結果、危険因子が多いほどアルツハイマー型認知症の発症数は増加し、3つ以上の危険因子を持っている場合、1つも持っていない人と比較すると3倍以上のリスクになることが報告されています。
つまり、メタボリックシンドロームを予防することは認知症予防において非常に有効な手段である、といえるのです。
前述の栄養素の摂取はもちろん、週2、3回、30分以上の運動を習慣に取り入れることがオススメ。
週3回以上30分以上の運動を行った人は認知機能低下が少ないことがわかっているので、ぜひここを目標に習慣化しましょう。
いきなりハードな運動は難しいので、まずは歩くことからはじめてみてはいかがでしょうか?
認知症は習慣である程度予防可能です。
脳に良い生活習慣を身につけて、認知症を予防しましょう!
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