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今の季節、常温で食べ物を放置すると食中毒になる可能性がある?

最近は昼も夜も暖かく、過ごしやすい季節になりました。
そこで、気を付けて欲しいことが食中毒です。
食中毒は夏だけではありません。

本日は食中毒の原因や食中毒に気をつける方法など、食中毒に関わる情報をご紹介いたします。

5月にかけて食中毒率が高いのはなぜ?

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

農林水産省の資料によると、2017年〜2021年に発生した食中毒の主な原因は、最近、ウイルス、寄生虫で、このほかにも自然毒や化学物質などを起因とする食中毒も一定数発生しています。食中毒というとウイルスや菌のイメージがありますが、実はさまざまな原因があることがわかりますね。

詳しい内訳は細菌36.0パーセント、ウイルス17.5パーセント、寄生虫36.3パーセント、自然毒6.6パーセント、化学物質1.3パーセント、その他0.3パーセント、不明1.9パーセントとなっています。
細菌はカンピロバクターやウェルシュ菌など、ウイルスはノロウイルスなど、寄生虫はアニサキスなど、自然毒はキノコや野草、フグなどに含まれる毒、化学物質はヒスタミンや漂白剤などの薬品を指しています。

そんな食中毒ですが、実は月を問わず発生しています。
5月〜6月の湿度が上がる梅雨時や7月〜9月の夏場は気温や湿度が高いため、細菌が増えやすいですよね。この時期は細菌性の食中毒が多く発生します。一方で12月〜3月の冬場はノロウイルスなどのウイルス性の食中毒が多く発生します。間の時期である春・秋には自然毒の食中毒が多く発生する傾向にあるようです。寄生虫のアニサキスは年間を通して発生しているようなので、注意が必要です。

細菌・ウイルスが原因の食中毒

細菌は糖などの栄養と水があって、条件が整っていれば死んだ細菌であっても自分の力で増殖する特徴があります。調理後の食品を食べても食中毒を起こすのが「細菌性」の食中毒の特徴です。細菌による食中毒(感染症)の多くは、抗生物質を投与することで症状を抑えることができるので、我慢せずにすぐ病院に行きましょう。
例外もありますが、ペニシリンなどの抗生物質は細菌の細胞膜の形成を阻害し、細菌を育たなくする働きがあるので、基本的には細菌性食中毒に有効な手段です。

さらに細菌性の食中毒は「感染型」と「毒素型」のふたつに分類されます。
「感染型」は経口摂取した細菌が腸管内で増殖することで発症するか、食べ物のなかで細菌が増殖し、食べ物を食べたことで発症する食中毒のこと。サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがこれに分類されます。
「毒素型」は摂取した細菌が腸管内で増殖し、生み出された毒素が原因となり食中毒症状を引き起こすもの。腸管出血性大腸菌やセレウス菌などがこれに該当します。また、食品内で細菌が増殖し、産出された毒素が原因となるボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌なども毒素型に分類されます。

ウイルス性は名前の通り、細胞を持たずタンパク質と核酸からなる粒子のこと。
栄養豊富であっても単独では増殖できず、生物の細胞に寄生し、複製することで増殖を行います。抗生物質は効果がなく、治療が難しいのがウイルス性の食中毒です。
ウイルス性の食中毒を予防するにはワクチンが効果的。無毒化または弱毒化したワクチンを体内に入れ、免疫力を高めることで急激な増殖を予防するというのが一般的です。

ウイルス性の食中毒は大部分がノロウイルスです。ノロウイルスは遺伝子型がいくつもあり、どんどん変異していくため、ノロウイルスに一度感染しても繰り返し感染し、発症してしまうやっかいないもの。
現在のところノロウイルスに有効なワクチンはないので、治療方法は対症療法となります。症状が持続する時間は短いため、その間に脱水にならないようできるだけしっかりと水分補給し、吐き気止めや整腸剤などの薬を使う治療が一般的です。下痢が長引く場合は薬を投与するケースもありますが、最初からこれらの治療を行わない方が早く治るようです。また、イメージ的に抗生剤を使った方が早く治りそうな気がしますが、効果はありません。下痢の期間を延ばしてしまうだけになりかねないので、基本的には水分を摂って嵐が過ぎ去るのを待つしかありません。

食中毒はうつる?

通常食中毒は人から人にうつることはありません。
しかし、腸管出血性大腸菌O-157や赤痢菌、ノロウイルスは感染力が強いため、人から人へ感染するケースがあります。もし、突然の腹痛、下痢、発熱といった異常がある場合は必ず医師の診察を受けましょう。

食中毒の潜伏期間

食べてからすぐに発症するのではなく、ある程度の潜伏期間を経て発症する食中毒がほとんど。原因菌によって潜伏期間は大きく異なるので、ここでは一例をご紹介します。

腸炎ビブリオ菌 … 10時間~20時間
カンピロバクター … 1日~7日
腸管出血性大腸菌 … 3日~9日
セレウス菌 … 30分~6時間
黄色ブドウ球菌 … 2時間~4時間
ボツリヌス菌 … 4時間~36時間
感染型の場合は菌の種類によって潜伏期間に幅があります。
しかし毒素型の場合は細菌型よりも早く発症する傾向が見られます。
原因となる食べ物は存在するはずなので、忘れずに覚えておきましょう。

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