今の季節、常温で食べ物を放置すると食中毒になる可能性がある?
常温で置いている料理は短時間で菌が増えるリスクが高い!

画像提供:imagenavi(イメージナビ)
冬場であればある程度、常温で放置していても問題のない食品であっても、暖かくなる季節はそうはいきません。
特に煮込み料理などは、一度に大量に作ると光熱費を節約できますし、なんだか美味しく感じるものですよね。しかし、煮込み料理というのは食中毒を引き起こしやすい調理法のひとつ。梅雨や夏の高温多湿の時期は細菌による食中毒が非常に起こりやすいのです。
常温で放置と言うと、もしかするとイメージが沸かないかもしれません。例えばカレーを作った後、常温で放置して次の日に食べる。そんなことってよくありますよね。しかし夏場は、カレーを放置するだけでもすぐに傷んでしまいます 。
しっかりと蓋を閉めているつもりであっても、わずかなスキに侵入した微生物は繁殖しやすい温度帯になると急激に増殖を始めます。生物の種類によっても異なりますが、30℃から37℃の温度帯は微生物が繁殖しやすくなるため、常温が20℃を超え始める時期から、冷房をかけて室温を26°ぐらいに保っている夏場、さらに秋口も料理した食べ物が冷めるタイミングで非常に菌が繁殖しやすくなるのです。
こうした仕組みから、実は冬場でも常温放置というのは基本的にオススメできない方法です。料理が冷めるタイミングというのが微生物が増殖するタイミングなので、煮込み料理を放置する際に一気に0℃になるなんてことがありませんよね。必ずどこかのタイミングで菌が好む温度帯になります。冷ましてから冷蔵庫に入れるという方もいるでしょう。しかし、温度が下がっている過程で必ず菌が好む温度帯のタイミングはあります。なので、基本的には放置はしない、というのがオススメの方法です。
放置をしていても、温めればいいじゃないか。そう考える方もいるかもしれません。しかし、全ての菌が熱に弱いわけではありません。ウェルシュ菌は熱に強い菌として知られています。なんと100℃の加熱を1時間〜6時間続けても死滅しないのだとか。食材を大量に使う際に発生しやすく、一度に多くの患者が出るため、「給食病」なんて不名誉な名前で呼ばれていたりします。
ウェルシュ菌が繁殖した食材を使って料理をした場合、加熱しても菌が生き残っており、放置することでさらに増殖する可能性もあるのです。
ウェルシュ菌に関しては無味無臭のため、食べてもその食材がウェルシュ菌に犯されているかどうか、というのを自分では気づくことがなかなか難しいものです。食後すぐには感染したことに気が付けないため、病院が閉まった夜中から苦しみ出すというケースも多いそうです。実際に2018年は2,319人の方がウェルシュ菌による食中毒の被害に遭っています。
セレウス菌やボツリヌス菌なども加熱しても生き残ってしまうため、もしこれらの菌が一度繁殖してしまうと、取り除くことはかなり困難だと言えるでしょう。繁殖によって毒素が作り出されることもあり、一度毒素が作り出されてしまうと加熱しても無毒化することはなくて、食中毒を引き起こす可能性は十分にあるのです。
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