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けっこう怖い歯周病

11月8日は「いい歯の日」。日本では、30歳以上の8割もの人が軽度の歯周病との調査もあります。歯周病は口腔内の問題だけでなく、糖尿病など生活習慣病との因果関係も分かってきています。歯科医院で定期健診を受け、「いい歯」を守りましょう。

歯周病はこんなに恐い

歯周病は、歯と歯ぐきの隙間、歯の周辺にたまったプラーク(歯垢)の中の細菌が原因となって発症する病気です。細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの隙間の溝が深くなり、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かして、歯をグラグラにしてしまい、最後には歯が抜け落ちてしまいます。日本人が歯を失う原因の第1位となっています。
また、歯や口腔内の問題だけでなく、歯周病菌が唾液などから血管に入り全身に拡散されたり、気管に入りこんで肺に運ばれたりすることによって、糖尿病や動脈硬化、脳梗塞、心臓疾患、肺炎などの疾患に悪影響を及ぼすことも最近の研究で分かってきています。

気づかないうちに進行

歯周病は痛みもなく自覚症状にも乏しいため放置されやすく、症状に気づいたときにはかなり進行した状態であることが少なくありません。中高年の病気というイメージがありますが、若い人でも発症します。次のチェックリストの項目で少しでも思い当たる症状があれば早めに歯科医や専門家に相談しましょう。定期的に歯科医院で診察を受けること、家庭でしっかりセルフケアをすることが大切です。

●歯周病自覚症状チェック

□朝起きたときに、口の中がネバネバする
□歯磨きすると出血する
□口臭が気になる
□歯ぐきが赤く腫れている
□歯が伸びて長くなった気がする
□歯の間に食べ物がよく挟まる
□グラグラする歯がある
□歯ぐきからウミのようなものが出る

正しい歯磨きを習いましょう

歯周病予防には歯に付着しているプラークをしっかり落とすことが大切です。毎日歯磨きをしていても、正しく磨けていなかったり、磨き方の癖や歯並びなどで磨き残りが出やすかったりします。歯科医院や薬局で販売されている歯垢染色剤を使ってみると、プラークがついている部分が赤く染まって分かるので、磨き残しチェックなどに試してみてもよいでしょう。
また、セルフケアだけでなく、歯科医院で定期的なケアを行い、自分ではできないような歯周ポケット内のプラークや歯石の除去をしてもらい、正しい歯磨きを指導してもらうことも大切です。

●歯磨きの基本

<歯ブラシの持ち方>

歯ブラシは鉛筆を持つように、親指、人さし指、中指でグリップを持つと、力の入りすぎを防ぎ、歯ぐきを傷つけません。細かいコントロールもしやすくなります。

<磨く順番>

どこから始めてどこで終わるかは自由ですが、磨き残しをなくすために、自分なりの順序を決めておきましょう。

<磨くタイミング>

もっとも大切なのは朝起きてからすぐと、夜寝る前の2回。なぜなら、眠っている間は唾液が減り、口腔内で細菌が繁殖しやすい状態となるためです。この2回はしっかり磨きましょう。食後などを含め一日2回以上を目安に。

<歯ブラシの選び方>

小さめのほうが細かい動きはしやすいですが、自分の口や手の大きさに合わせて使いやすいものを選びましょう。毛先が細くてやわらかいほうが、隙間に入りやすく、歯ぐきへの負担も少ないです。また、歯ブラシは毛先が開くと効果が落ちてしまうため、定期的にチェックしましょう。1~2カ月程度が交換の目安です。

●主な歯みがき法

<バス法>

歯周病の人に向いている歯ぐきをケアする歯みがき法。歯と歯ぐきの間のプラークを取り、歯ぐきをマッサージします。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの間に45度の角度であて、毛先が歯周ポケットに入るようにして、小刻みに左右に動かし、磨きます。

<スクラッビング法>

歯ブラシの毛先を歯の表面に90度(垂直)にあて、細かく左右に動かします。前歯の裏側などは縦に磨いてもOK。毛束が歯に直角にあたるので、磨き残しが少ない磨き方です。

●その他の歯のケアグッズ

<デンタルフロス(糸式ようじ)>

繊維状で歯と歯の間のプラークを取るのに適しています。

<歯間ブラシ>

歯と歯の間に隙間ができてしまったら、歯間ブラシでプラークを取り除きます。サイズはいろいろあるので、歯科医院などで合ったサイズを教えてもらいましょう。

<電動歯ブラシ>

多様な機能をもつさまざまな種類のものが販売され、歯磨きの時間を短縮するのに効果的。電動歯ブラシの場合は動かし方や力加減は機械に任せて、磨き残しがないよう、しっかりと歯や歯と歯ぐきの隙間に毛先をあて一本一本磨きましょう。

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