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老年症候群フレイルとは? シニア世代に潜む危険

「体は健康だけれど最近ちょっとしたストレスに弱くなってきたなぁ」
そう感じている方はいませんか?ひょっとするとそれ、シニア世代特有の症状かもしれません。
年齢を重ね筋力や活動が低下している状態を「フレイル(Frailty)」と呼ぶことをご存知でしたか?

老年症候群フレイルとは?シニア世代に潜む危険

画像提供:imagenavi(イメージナビ)

フレイルとは一体何?

老年症候群フレイルとは日本老年医学会が提唱する筋力や活動が低下している状態(虚弱)をさす言葉です。
現在日本が介護または介護予防サービスに投じている予算は8兆円を超えています。このことからわかるように少子高齢化は大きな課題となっています。今はまだ元気なシニア世代もどんどん年齢を重ねることで要介護状態に陥ることも想定されます。

しかし要介護状態に陥るまでには衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などを健康障害を起こしやすい脆弱な状態を経ることが多いんです。大きな病気をしなくても、ケガをして動けなくなったことから要介護になることもありますが、少しずつじわじわと弱っていくことも考えなければなりません。

このように脆弱な状態を経ることをフレイルと呼びます。



このフレイル、一度なると治らないというものではありません。然るべき介入が行われることで再び健康な状態に戻ると言う可逆性が含まれた言葉です。フレイルに落ちた場合は早期に発見し、適切に介入することで、生活機能の維持・向上を図ることが期待されることから、要介護状態に陥るのを防げる効果がある、と今注目されています。

フレイルと似たような状態にサルコペニアというものがあります。フレイルもサルコペニアの加齢に伴う機能低下を意味する言葉です。しかしサルコペニアは筋肉量減少を主体として筋力、身体機能の低下を主な原因として扱うのに対し、フレイルは移動能力、筋力、バランス、運動処理能力、認知機能、栄養状態、持久力、日常生活の活動性、疲労感など広い要素が含まれている点が大きな違いです。

厚生労働省もこのフレイルについては研究を行っており、厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」としています。
健康の状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味するフレイル。多くの人はフレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、早期発見で要介護状態を先延ばしすることができるかもしれません。
ここからは触れるとはどのような状態なのかを見ていきましょう。

どんな状態がフレイルなの?

フレイルの基準は様々ありますがFriedが提唱したものが採用されることが多いようです。この基準は5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1項目または2項目だけの場合には「まだフレイルではないが、フレイルの前段階である」と判断されます。このフレイルの前段階はプレフレイルと呼ばれます。

では早速基準の5項目を見ていきましょう。

1.体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
2.疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3から4回以上感じる
3.歩行速度が明らかに遅くなった
4.握力が明らかに低下した
5.身体活動量が低下した

フレイルには体重減少や筋力低下など身体的な変化だけではなく、気力の低下など心の変化など社会的なものまで含まれます。
この項目に三つ以上該当する方は、一度病院に行ってみてはいかがでしょうか。

フレイルを予防するには?

フレイルの悪循環に陥らないためにはどうすればいいのでしょうか。

健康コントロール

糖尿病や高血圧、心臓病、呼吸器疾患などの持病がある方だと、フレイルの進行をさらに早めてしまう要因となってしまいます。持病の治療からフレイルの予防、治療へと進めていくことが大切です。

適度な運動と栄養管理
脚や腕を伸ばす体操やウォーキングをするや肉、魚、大豆製品などの良質なタンパク質を摂取する事で筋力の維持を期待できます。身軽に動ける事で行動範囲も増え、前向きに過ごせる事でしょう。

感染症予防
免疫力が落ちてきている高齢者にとって怖い感染症。免疫力が低下していると、感染率もグンと上がります。健康であれば数日で治る風邪も、フレイル状態なら何日も続いてしまう恐れがあるのです。予防ができるインフルエンザや肺炎球菌のワクチンは打っておくべきかもしれません。

病は気からと昔から言いますが、まさに気持ちの方にも左右してしまうのがフレイルの怖さなのでしょう。
どれだけ予防しても予防しすぎということはありません。定期的な診断を受けて、健康で元気なセカンドライフをおくりませんか?

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コメント
  1. 40年近く勤務した金融機関を昨年退職して、1年間孫の面倒を見ながら生活してきました。
    たっぷりある時間、最初はあれこれやって潰してきましたが基本的に体調がすっきりしません。
    先日、1年ぶりに仕事を見つけて働き始めました。1か月の見習いを経てようやく仕事に慣れると、体調も回復、現役時代のように気力・体力も充実した生活を送っています。仕事中、建物内を歩くなど体力も要するので適度な運動しています。夜はぐっすり寝るようになりました。それと、少しですが、毎月収入があるので経済的に、今後、余裕が出てくると考えています。自分を必要としてくれる仕事があるということはとてもうれしいことです。特に問題がなければ70歳まで働けるそうですから、出来るだけ長く続けたいと考えています。

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